最多勝&本塁打王がいても…4位で2軍監督へ配転 5年ぶり1軍指揮官の“第1次政権”

楽天・三木肇監督【写真:荒川祐史】
楽天・三木肇監督【写真:荒川祐史】

三木肇氏は楽天で2019年に2軍、2020年は1軍…2021年から今季まで再び2軍監督

 今季まで楽天の2軍監督を務めていた三木肇氏が、来季から1軍で指揮を執る。2020シーズン以来5年ぶり復帰となる。2020年、楽天はどのようなシーズンを送ったのか。三木監督の「第1次政権」を振り返る。

 オフには新戦力として鈴木大地内野手、涌井秀章投手を獲得。さらに美馬学投手のFA移籍に伴う人的補償で酒居知史投手、米球界から牧田和久投手が加わり、厚みを増した戦力で開幕を迎えた。新型コロナウイルスの影響を受け、6月19日のオリックス戦(京セラドーム)で開幕した。

 2年ぶり開幕投手の則本昂大投手が7回1失点で勝利投手になった。開幕後は好調を維持したが18登板で5勝7敗、防御率3.96だった。松井裕樹投手(現パドレス)が先発へ転向。8月27日のロッテ戦で7回無失点と好投し、シーズン初勝利を手にした。終盤はチーム事情もあり再び救援へ配置転換。25試合登板で5勝7敗2セーブ、防御率3.18の成績を残した。

 投手陣で数字を残したのは移籍1年目だった涌井秀章投手(現中日)。開幕から自身8連勝を記録するなど、11勝をマーク。最多勝のタイトルを手にした。岸孝之投手は10月以降大車輪の活躍。2完投1完封を含む5勝、防御率1.38で10・11月度の月間MVPを受賞した。

 チーム打撃成績は打率.258、557得点、1029安打がいずれもリーグ1位。鈴木大は全120試合に出場し、キャリアハイの打率.295をマークした。浅村栄斗内野手も全試合に出場し、9月には10本塁打、21打点で月間MVP。シーズンを通しても32発で初の本塁打王に輝き、リーグ2位の104打点をたたき出した。

 ドラフト1位ルーキーの小深田大翔内野手112試合に出場。シーズン終盤は「1番・遊撃」に定着し、打率.288、チーム最多の17盗塁をマークした。

 シーズン序盤は快調な出だしも、終盤に失速。55勝57敗8分けで、3位・西武と1ゲーム差の4位に終わった。盗塁数は67でリーグワースト。チーム防御率は4.91でリーグ5位に低迷した。

 2019年に2軍監督、2020年に1軍監督を経験した後には、2021年から今年まで4年間2軍監督を務めた。47歳指揮官は来季、どのような戦いを見せるのか。2020年とは異なり、辰己涼介、中島大輔両外野手ら足が使える選手も多いだけに、戦術面でも期待が高まる。5球団が競合したドラフト1位・宗山塁内野手の起用法にも注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」谷島弘紀)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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