衝撃の72歳まで年俸1.8億円…最悪の後払い ド軍連発で再び注目集める”異次元契約”

メッツ時代のボビー・ボニーヤ氏【写真:Getty Images】
メッツ時代のボビー・ボニーヤ氏【写真:Getty Images】

ブレーブスからFAのメリフィールドはドジャースの手法に理解

 ドジャースを中心に球界で広がっている“後払い契約”について、賛否両論が沸き起こっている。「悪名高き契約」とも称されるボビー・ボニーヤ氏の形態と同等と主張する意見や、それに反論する意見が噴出している。

 ドジャースは今オフ、FAとなったブレイク・スネル投手と5年総額1億8200万ドル(約272億円)、トミー・エドマン外野手とは5年7400万ドル(約111億円)で契約合意に達したが、スネルは6200万ドル(約93億円)、エドマンは2500万ドル(約37億円)が後払いとされている。他にも大谷翔平投手が6億8000万ドル(1017億円)、ムーキー・ベッツ内野手は1億1500万ドル(約172億円)、フレディ・フリーマン内野手は5700万ドル(約85億円)、ウィル・スミス捕手が5000万ドル(約75億円)、今オフFAとなったテオスカー・ヘルナンデス外野手が850万ドル(約13億円)が後払いだ。

 今オフにブレーブスからFAとなったウィット・メリフィールド内野手が2日(日本時間3日)、米ポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」に出演。司会のスコット・ブラウン氏に「ファンは後払い契約に不満を抱いているようです。不公平という意見もありますが、意見をお聞かせください」と問われた。

 メリフィールドは「ドジャースはルールをうまく活用しているだけだ。高額な選手と契約しながら、ぜいたく税にあまり影響していない。彼らがやっていることは、非合法でも不正でもない。クリエーティブだね」と見解を示した。さらに「彼らがそういうやり方をしているのなら、他球団もこの手法を検討するかもしれない。ドジャースがスーパーチームを構築していることに不満を持つ他球団ファンの気持ちは理解できるけど、彼らは何か不正なことをしているわけではないんだよ」と述べた。

ボビー・ボニーヤ氏は72歳になる2035年まで年1.8億円が支払われる

 後払い契約を適用する背景として、球団の総年俸が一定の額を超えると、リーグに一定の金額を納めなくてはいけない「ぜいたく税」を回避することがあげられる。後払いがある場合は、契約総額を現在価値で計算する。

 大谷は昨年オフに10年総額7億ドル(1047億円)でドジャースと契約。そのうち200万ドル(約3億円)が2024年から2033年までの10年間支払われる。残り97%の6億8000万ドルを、契約終了後の2034年から2043年までの10年間で受け取る。MLB公式のマーク・フェインサンド記者によると、大谷の契約の現在価値は4億6000万ドル(約688億円)、年俸4600万ドル(約69億円)だという。

 ボニーヤ氏の場合は、メッツとの契約が残っていたものの1999年限りで解雇された。メッツは残りの契約である590万ドル(約8億8200万円)を支払う必要があったが、これを2011年から2035年までの分割払いにしたため、利息を含めて2980万ドル(約45億円)に膨れ上がってしまった。支払いが終わる2035年まで年120万ドル(約1億8000万円)が支払われることになった。その時、ボニーヤ氏は72歳になっている。

 後払い契約を巡ってファンも喧々諤々。「オオタニの前にも、ボビー・ボニーヤやクリス・デービスだって後払い契約をしていたじゃないか」「ボニーヤの話はどうでもいい。大事なのは彼らがぜいたく税をたった今、回避しているという点だ」「オオタニの給料を後払いさせたことで、球団間の格差が広がった。ボニーヤの契約が誤差のように感じてしまう」「オオタニの時と違い、ボビー・ボニーヤの時代はぜいたく税はなかった」「オオタニの6800万ドル(約102億円)と、ボニーヤの100万ドル(約1億5000万円)の後払いではぜいたく税に与える影響が全く違う」といった意見が寄せられた。

(Full-Count編集部)

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