5年目ドラ1は「野球に対する姿勢変わった」 DeNA去った37歳が見た変化「大人の階段を」

DeNA・森敬斗【写真:矢口亨】
DeNA・森敬斗【写真:矢口亨】

DeNA戦力外の大和「いつ1軍に呼ばれてもいい準備を常にしておかないと」

 今季限りでDeNAを戦力外となった大和内野手は、プロ19年目の今季はわずか42試合の出場にとどまり、ファームで過ごす時間も増えた。37歳のベテランが見た現状や若手たちに伝えたいこと、期待する選手について語った。

 気持ちは痛いほどわかる。だからこそ、説きたいことがある。「技術どうこうというよりも、いつ1軍に呼ばれてもいいような準備を常にしておかないといけないよというのは伝えたいですね。1軍に行ったり来たりする子ってだいたい年間通して決まってくる。そういう子が怪我をして次誰が行くかとなってもし自分が選ばれたとき、結果を出せるか出せないかで人生が変わってくる。どちらかというと諦めが多い子たち。若い頃は自分らもそうだったんですけど、でもいつか自分がと思ってやっていれば必ずチャンスはきますから」。

 時間が経てば上級生が抜けていく学生野球とは違う。主力が定着すれば、そのポジションを奪うのは極めて難しいのがプロの世界だ。くじけそうになることも多く「特に1軍に上がったことない子とかは現実味が見えないから、いつになったら上がれるんだろうとモチベーションが難しい。でも順番待ちじゃなくて自分で割り込む気持ちを持っておかないといけない」と強調する。

 そんな中で「だいぶ変わりましたよ」と目を細めるのが、2019年ドラフト1位で5年目を終えた森敬斗内野手だ。今季ファームでともに戦った際には、課題である追い込まれてからの打撃についてアドバイスを送ったこともある。

取材に応じたDeNAを退団した大和【写真:町田利衣】
取材に応じたDeNAを退団した大和【写真:町田利衣】

「めちゃくちゃな子どもからちょっとずつ大人の階段を上っている」

「ファームで四球を取れるようになったし、敬斗は1番楽しみな選手ですね。今年1年で、めちゃくちゃな子どもからちょっとずつ大人の階段を上っている感じが見えました。自分で気持ちを入れ替えたのかわからないけど、野球に対する姿勢も変わってきた。すごくいい方向に行っていると思いますね」

 肩の強さは天下一品。正遊撃手候補として鳴り物入りで入団してきた後輩は、大和にとっては好敵手にあたるようにも思えるが「自分は自分。あいつに肩で勝とうなんて思わないし……。楽しみな選手だねって素直に言えた。危機感みたいなものはなかったです」と泰然自若で先輩の威厳を背中で示してきた。

 最大級の賛辞とともに、寄せる期待は大きい。「もうちょっと早く出てくるイメージでしたけど、遅かれ早かれずっとショートをやるのは森敬斗だと思っています。試合に出るたびに失敗して、それで覚えていくことも多い。練習よりも試合で学ぶことが一番大きなことじゃないかな」。プライドを持って立ち続けてきた遊撃のポジション。背番号6に、その座を託した。

(町田利衣 / Rie Machida)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY