巨人新人王の“魔球”が「キレすごい」 2度の指名漏れ→3300万円昇給…躍進呼んだ宝刀
船迫の投球の50.4%がスライダー
巨人の2年目右腕・船迫大雅(ふなばさま・ひろまさ)投手は、今季51試合に登板して4勝無敗22ホールド、防御率2.37の好成績を収めた。28歳と“遅咲き”ながら新人王を獲得し、契約更改交渉では3300万円アップの年俸5600万円で更改(金額は推定)。なかでも投球を支えた“魔球”は数字上でも納得の高水準だった。
聖光学院高、東日本国際大を経て、西濃運輸から2022年ドラフト5位で入団。大学4年時、社会人でも指名漏れを経験したが、26歳にしてプロの門を叩いた。1年目の2023年は36登板で30イニングを投げた。「投手として前年までの1軍での登板イニング数が30回以内」という新人王資格を残して迎えた今季、大きくステップアップする。
人材豊富なリリーフ陣の一角を務め、独特なサイドハンドからセットアップとしてチーム3位タイの51試合に登板。直球は平均球速146.7キロと突出していないものの、投球の半分を占める切れ味鋭いスライダーで凡打の山を築いた。
セイバーメトリクスの観点からプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、スライダーによる失点減少を示す「Pitch Value」8.5は30イニング以上で両リーグ5位の高水準。数字上でも、新人王につながった“魔球”は威力抜群だったようだ。ファンからも「バケモン」「エグすぎる」「フリスビースライダー並にキレッキレ」「船迫のスライダーのキレすごい」などと、賛辞が送られていた。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。