“全員消えた”巨人2012年ドラフト組 菅野退団でついにゼロ…大投手の裏で厳しい現実
4位の公文は巨人で計15登板も…3球団で活躍
12年の月日が経ち、“最後の1人”がいなくなった。巨人から海外FA権を行使した菅野智之投手が16日(日本時間17日)、オリオールズと1年契約を結んだ。これに伴い、巨人の2012年ドラフト組は全員が退団。球界を代表する大投手を輩出した、この年のドラフトを振り返りたい。
2012年のドラフトは、同年の甲子園で春夏連覇を達成した大阪桐蔭のエース、藤浪晋太郎投手が目玉だった。花巻東の大谷翔平投手はメジャー挑戦の意向を表明していた中、日本ハムが果敢に指名。必死の交渉で入団にこぎつけた。この日本ハムは前年に菅野(東海大)を指名するも、巨人入りを望んだ右腕に入団を拒否された。
菅野は1年越しのドラフトで、意中の巨人から指名されて無事に入団。1年目からエースとして活躍し、沢村賞に2度選出され、最多勝と最高防御率を4度、最多奪三振と最高勝率を2度獲得した。優勝に貢献した今季は3度目のMVPに選ばれ、オフに海外FA権を行使。この日、オリオールズと1年総額1300万ドル(約20億円)で契約を結んだと報じられた。
巨人は2012年ドラフトで支配下5人、育成2人を指名した。2位の大累進内野手(道都大)は1年目に1軍2試合の出場を最後に昇格はなく、2016年に日本ハムへ移籍。2017年オフに戦力外となった。3位の辻東倫内野手(菰野高)も2018年オフ、5位の坂口真規内野手(智弁和歌山高)も2016年オフに戦力外通告を受けてプロ野球選手としてのキャリアを終えた。育成1位の田原啓吾投手(横浜高)、育成2位の松冨倫内野手(別府大)は支配下登録なく引退した。
4位の公文克彦投手(大阪ガス)は、巨人では1軍15登板に終わったが、2016年オフに大田泰示外野手とともに日本ハムへ2対2のトレード移籍し、キャリアが好転した。2017年に41試合登板を果たしてブルペンの貴重な左腕として活躍すると、3年間で179試合に投げた。2021年に西武へトレード移籍し、2023年限りで引退。通算252試合、49ホールド、防御率3.45を記録した。
(Full-Count編集部)