元プロ監督も一目惚れ「桑原のよう」 小6でボルト並み…DeNAジュニアの“最速”1番打者
DeNAジュニア・永瀬蒼馬は30メートル走で3秒7「足には自信がある」
ハマの小学生スピードスターが偉業へとチームを牽引する。26日から開幕する「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2024 ~第20回記念大会~」(神宮球場、ベルーナドーム)で、史上3チーム目の連覇を目指す横浜DeNAベイスターズジュニアの中で、抜群の俊足を披露する選手がいる。永瀬蒼馬(あおば)選手(6年=篠原イーグルス)だ。
一度出塁すれば、すかさず二盗、隙あらば三盗を試みる。所属チームでも今季だけで60盗塁をマーク。「足には自信があります。小さい頃から速かったですけど、去年、身長が伸び始めて筋肉がつき始めたくらいから、さらに速くなって、6年生にも勝つようになりました。試合でも力を発揮して活躍していきたいです」。
実技セレクションの30メートル走では驚くべき数値を叩き出した。小学6年生であれば4秒台でも十分速い方だが、一人だけ異次元の3秒7をマーク。約930人の参加者の中でダントツで、歴代のセレクション受験者を含めても過去最高だったという。
ちなみに、元陸上短距離選手のウサイン・ボルト氏が100メートル走で9秒58の世界記録を達成した時の30メートルのラップタイムが3秒78だった。手動計測の誤差を差し引いても、永瀬くんの記録がいかに小学生離れしているかが分かる。
「セレクションの時は受かることだけを考えていたので、あまり意識はしていませんでしたが、チームの顔合わせの時にベイスターズジュニア史上最速だと言われた時は、自分の足が全国でもトップクラスなんだと自信を持つことができました」
憧れはオースティン「1打席目から強いスイングを」
NPB通算8年間で62盗塁をマークした荒波翔監督も、少年野球を視察した際、永瀬くんの快足ぶりを目の当たりにして驚いたという。
「バントをしても一塁セーフになったりして、本当に大人顔負けというぐらい速かったです。彼は打つ方もパンチがあって、一目見た瞬間に(DeNAジュニアの)1番でいけるんじゃないかと思いました。(DeNAの)桑原(将志)選手のように、打線の流れを作る選手であってほしいですね」
今秋の日本シリーズでMVPに輝いた桑原のような役割に期待し、指揮官も走塁の技術を惜しみなく伝授。「今まで何も考えずにただ走ってセーフになっていたのが、ジュニアに入って盗塁の走り方は、とても良くなってきた」と評価する。守備位置も本職は遊撃手だが、ジュニアでは足を生かすために中堅手をメインに起用している。
永瀬くんの憧れはDeNAのオースティン内野手。今大会では打率と盗塁を稼ぐことが目標だ。「1打席目からしっかり強いスイングをして塁に出て、最初からチームに流れを持ってこられるような活躍をしたいです」。最速リードオフマンがダイヤモンドを所狭しと駆け回れば、自ずと連覇は近づいてくる。
(内田勝治 / Katsuharu Uchida)
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