減刑求める水原被告、過酷だった“大谷翔平の隣”「著しく低賃金」「長期休暇は年末年始の4日」
エンゼルス時代は年俸3800万円、ドジャースでは7700万円に
ドジャース・大谷翔平投手の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われている水原一平被告に対し、米検察は23日(日本時間24日)、大谷への賠償金として1697万ドル(約26億円)と4年9か月の禁固刑を求めた。またこの日、米スポーツ専門メディアでは実際の水原氏が犯行に及んだ際の肉声、そして同氏の現状が告白されている。
水原被告は昨年3月、大谷の資金を盗用したとしてドジャースから契約解除となった。その後、複数の罪で連邦当局から訴追され、司法取引に応じて6月に行われた有罪答弁では有罪を認めた。判決は当初10月に言い渡される予定だったが、資料の作成が間に合わないなどの理由で12月に延期。さらに7日(同8日)には体調を崩すなどギャンブル依存症に関する精神科医の鑑定書の作成に遅れが生じ、24日から2月6日に延期するよう裁判所に申し立てていた。
「ジ・アスレチック」によると、水原被告は自身の罪を深く後悔し、裁判所に懲役1年6か月を懇願しているという。また、提出された書類によれば「深刻なギャンブル依存症」により合計4070万ドル(約63億円)の負債があり、大谷への支払いはかなり困難な状況にあるという。また、水原被告は通訳解任後に「Uber EATS」の配達をしていたが、現在はクビになったという。
また記事では、水原被告が「著しく低賃金だった」ことが主張されている。大谷とともに日本ハムからエンゼルスへ移り、当初の年俸は8万ドル(約1240万円)。2022年には25万ドル(3880万円)に増額され、大谷がドジャースに移籍すると、給与は50万ドル(約7700万円)に倍増したと書面で記されていた。さらに大谷個人からも水原被告へ別途報酬が渡されており、ポルシェ・カイエンも贈られていたという。
それでも、同被告は自身が「24時間いつでも対応可能」な状態で働いており、「著しく低賃金だった」と主張。さらに1年契約だったので、給与の増額を要求して解雇されるリスクを負いたくなかったという。「(通訳以外にも)オオタニのスポンサーから、仲介会社を選手の母に伝えたりする業務を行っていた。そして時差の影響で、ミズハラは深夜に働くことがよくあった」と言及されている。
「日常の雑用もこなしていました。例えば、食料品の買い物、郵便受けのチェック、自転車の修理、家族に会うために岩手県に帰る際の同行、犬を動物病院やトリミングに連れて行くこと、同僚との夕食の送り迎え(車で待機)、日本と米国の弁護士を調整して婚前契約の打ち合わせに同席することなどです」と文書では述べられており、「年末年始に4日ほど連続で休むことが唯一の長期休暇でした。それ以外では、妻と過ごす時間をほとんど取れませんでした」と訴えた。
それでも、「私は本当にショウヘイを野球選手として、また人間として尊敬しています。そして、オオタニがフィールド上で最良の自分を発揮できるように自分(*水原自身)の人生を捧げることを決意していました」と述べ、「彼の信頼を裏切ったことについて、心からお詫び申し上げます」と謝罪した。
(Full-Count編集部)