守備に必要な“運動神経”を高める方法は? 打球への対応力つく「制限付き」キャッチボール

子どもが苦手な後方への飛球に対応できる練習は(写真はイメージ)
子どもが苦手な後方への飛球に対応できる練習は(写真はイメージ)

子どもたちの運動神経を向上させる工夫を凝らした「移動キャッチボール」

 試合のなかでは、静止した状態でプレーすることはほとんどない。特に「走る・捕る・投げる」の3要素が関わる守備力を高めるために、初心者や低学年に推奨の練習法があるという。少年野球からプロ野球まで幅広くサポートする東京農業大・勝亦陽一教授は、“制限”を加えた「移動キャッチボール」を紹介。野球の基礎ともいえるメニューも、工夫1つで身体能力を高めるものになる。

 どんなスポーツでも、“ゼロ”から体を動かしてプレーをするのは容易ではない。野球でも、試合中に体が完全に静止した状態からボールを捕球し、送球することはないだろう。だからこそ、子どもの時から様々な状況に対応できる能力を身に付けておけば、のちの技術向上にも繋がる。

 そこで、勝亦教授が子どもたちに伝えているのは、遊び要素が加わった「移動キャッチボール」。2人1組となり、1人ずつ直線を進みながら、交互にボールをパスしていく。ポイントは、一度に進めるのは各自5歩までで、5歩進んだところでボールを投げる・キャッチすることと、できるだけ早く移動すること。ボールを落としたら終了となる。ゲーム性を交えながら正確性と速さを求めることで、内野手なら左右の打球、外野手なら後方の打球にも対応できるようになるという。

交互に5歩ずつ進みながらボールを投げ合う【写真:伊藤賢汰】
交互に5歩ずつ進みながらボールを投げ合う【写真:伊藤賢汰】

「まずはボールを落とさないこと。5歩という制限の中で、バウンディング(地面反力を利用してストライドを伸ばして遠くに飛ぶ)でできるだけ遠くに進もうとすれば、体力的な要素も関わってきます。慣れてきたら、5歩目で後ろ(の投げ手)を向きながら捕ってみましょう。テンポが上がると難易度は上がります」

 動きながらボールを捕ることは、目線のブレをなくし落下地点の予測も必要になる。「走る」「投げる」「捕る」の3要素が加わったキャッチボールで、子どもたちの運動神経を伸ばしていきたい。

【実際の動画】走る・投げる・捕るの3要素を一気に養える ゲーム感覚でできる「移動キャッチボール」

https://first-pitch.jp/article/baseball_movie_photo/20250329/10270/

(First-Pitch編集部)

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