バントで必須の「打球の勢いを殺す」コツとは? シーズン最多犠打に導いた“秘策”

犠打をする西武選手時代の平野謙氏【写真提供:産経新聞社】
犠打をする西武選手時代の平野謙氏【写真提供:産経新聞社】

NPB通算451犠打を誇る平野謙氏…シーズン最多犠打の田中賢介氏に伝えた技術

 打球の勢いを殺し、確実にバントを決めるために必要な要素とは何だろうか。ボールに当てるバットの位置や面、さらに、バットを持つ手だけでない“体の動き”も、解決のヒントになるかもしれない。中日、西武、ロッテで通算451個の犠打をマークした平野謙氏が、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の中で、日本ハムのコーチ時代、2007年にパ・リーグのシーズン最多犠打記録(当時)をマークした田中賢介氏にも伝授した秘策を明かしている。

 バントの成功率を上げるためには、思い描く箇所にゴロを転がすことに加えて、打球の勢いを殺すことも必要だ。バットの芯で捉えてしまうと、たとえ一、三塁側に決めても進塁させることは難しい。平野氏はまず、ボールを捉える箇所について、「芯を外し、できればバットの先。捉える面は下っ面のほうがゴロになりやすい」と説明する。

 打球の勢いを殺そうと、手だけで引きながらバントを行う選手は「失敗の確率は上がる」と平野氏。ただ、“移動”することには効果があるという。日本ハムコーチ時代に田中氏に伝えたのは、後ろ足を下げながらバントをする方法だ。

犠打を実演する平野謙氏【写真:編集部】
犠打を実演する平野謙氏【写真:編集部】

「手だけでやると失敗します。体の形を決めておいて、(バットの)高さを変えずに後ろの足を引く。そうすれば構えているバットの位置も捕手側に自然と下がるので、打球の勢いを殺せます。面を変えずにバットを引く動作になります」

 さらにバットを持つ際に、親指と人差し指の間に少し空間ができるようにゆとりを作れば、「ボールが当たった瞬間にバットが(指の間で動いて)引くような形になる」という。

 手や腕だけで引くのではなく、“体全体で引く”などの工夫が大切。平野氏は「意識1つでバントは上手くなる」とアドバイスを送っている。

(First-Pitch編集部)

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