バント技術向上に「邪魔ばかりする」 名人が指摘…“犠打失敗”に導く手のNG動作

NPB通算451個の犠打をマークした平野謙氏が推奨するバントの“片手当て”練習
バントの感覚を養うために、さらに“とっさの反応”のために、取り入れてみたい練習方法があるという。バントはプレッシャーがかかる場面でも、確実に決めることが求められるだけに準備は必要不可欠。中日、西武、ロッテで通算451個の犠打をマークした平野謙氏が、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の中で、練習メニューの1つとして推奨しているのが“片手バント”だ。
バントの構えで平野氏が重視しているのが、バットの面を持つ手(右打者なら右手、左打者なら左手)の使い方。一方で、グリップを持つ手(右打者なら左手、左打者なら右手)は「邪魔ばかりする」と表現する。一塁、三塁方向に転がす際、グリップを持つ手でバットをコントロールしてしまう選手が多く、それが「自ら失敗に導いてしまう」要因だからだ。
そこで推奨しているのが、グリップを握る手は離し、面を持つ手だけで練習する方法だ。バットの先に当てるイメージを持ちながら試してみることで、思い描く方向に打球を転がす感覚が身に付く。試合ではバスターなどのサインに切り替わることもあるため両手で持つ必要があるが、「バントだけならば、グリップ側はグラグラと緩く支えているくらいでいい」とアドバイスを送る。
逆にグリップ側の手が重要になる局面もある。絶対にボールに当てなければいけないスクイズだ。「この場合、両手で構えたままだと、外角に大きく外された時にバットを伸ばせず届きません。バットの面を持つ手を外し、グリップを持つ手で伸ばせば、遠くに外されても当てることは可能です」。注意したいには、面を持つ手を離すことでヘッドが落ちないよう、ヘッドを立てて腕を伸ばすことだ。
送りバントは確実に塁を進め、スクイズでは外されても何とかバットに当てる技術が必要。チャンスを広げる戦法でありながら、失敗すれば一気に流れを失う可能性があるだけに、日々の練習から“遊び感覚”で取り入れて準備をしていきたい。
(First-Pitch編集部)
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