球速アップ、怪我防止に絶対防ぎたい“肘抜け”　米国流コーチが推奨する「体幹投げ」

米国式野球塾の松本憲明氏が紹介…球速向上、怪我防止に繋げるドッジボールドリル

　肩肘に負担のない正しい投げ方を身に付け、球速アップに繋げる練習方法とは――。理想の投球フォームを身に付け、ライバルたちに差をつける。勝負の夏へ更なるレベルアップを目指す少年・少女たちに向けて、一流の指導者たちがメニューを提案。今回は米国式野球アカデミー「Be an Elite.」代表の松本憲明さんの「球速アップの土台づくり」となるドリルを紹介する。

　速い球を投げたい――。野球人ならば誰もが求めるスキルの1つだが、ただやみくもに強く投げようとすると、肩肘などの怪我に繋がってしまう。松本さんは「肘が抜けたり（先に前に出たり）、ダーツ投げになるのは絶対に防ぎたい。癖がつくと中学、高校で直すのは難しい」と指摘。まずは初期段階で正しいフォームを手に入れることが大切になると語る。

　正しいフォームを体に染み込ませるために推奨しているのが「ドッジボール投げ」だ。ボールを握らず、手のひらに乗せ、手首と肩肘は一直線に伸ばす。肩幅より広いくらいの歩幅で、体重を後ろ足に乗せて、体幹を使って投げる。へそと胸をしっかり回すイメージで投げていくと良いという。

　注意するポイントは、体が回らずに“手投げ”になってしまうこと。一見、しっかり投げられているように見えても、体幹を使っている時よりも肩肘に負担がかかり、ボールの勢いも弱くなってしまう。松本さんは「しっかりとおへそと胸が回って、最後に手が出るイメージが大切です。軸を意識して頭が先に出ないこと」とアドバイスを送る。

　子どもたちは無理のない程度に、50球を目安に投げることを勧めている。軟式・硬式に関わらず“肘抜け”を防ぐことができれば、球質は必ず変わってくる。まずは基礎から見直し、理想の投球フォームを身に付けたい。

（First-Pitch編集部）