“部員急増”の小学生チームが注力する進路指導 県外から続々…33歳監督が示す「世界基準」

ベンチ前で指導する深谷ボーイズの本橋樹監督【写真:片倉尚文】
ベンチ前で指導する深谷ボーイズの本橋樹監督【写真:片倉尚文】

「メニコン杯 第28回関東ボーイズリーグ大会」で連覇を飾った深谷ボーイズ

 ボーイズリーグの春の東日本王座決定戦「メニコン杯 第28回関東ボーイズリーグ大会」は4日に決勝戦が行われ、小学生の部では深谷ボーイズ(埼玉西)が大会2連覇を飾った。2022年「第6回WBSC U-12W杯」でコーチを務めた本橋樹監督は、選手に寄り添った指導で注目を集めている。

 深谷ボーイズは3日の準決勝で埼玉上尾ボーイズ(埼玉東)に3-2で逆転サヨナラ勝利。4日の勝呂ボーイズ(埼玉西)との決勝戦では、2点を追う5回に3点を奪って逆転勝ち。連日の激闘を制しての大会連覇に、本橋監督は「普段から最後まであきらめないことを選手に伝えてきました。選手がよくやってくれました」と声を弾ませた。

 33歳の青年監督ながら経験は豊富だ。東京農大二高(群馬)で2009年夏の甲子園に出場し、大学入学と同時に自身もプレーした深谷ボーイズのコーチに就任。監督歴は今年で12年目になる。2022年U-12W杯でコーチを務め、現在は侍ジャパンのトップチームを率いる井端弘和氏に仕えた。

“世界基準”を知ったことで指導者としての幅も広がった。力のある選手にはトライアウトに積極的に参加するよう勧め、休養の重要性も再認識。選手に決して無理はさせない。日々の練習では競争を意識させる一方、練習試合などでは部員全員を出場させるよう心を砕く。

“世界基準”を知り指導法も変わったと本橋監督【写真:片倉尚文】
“世界基準”を知り指導法も変わったと本橋監督【写真:片倉尚文】

本橋樹監督が力を注ぐ選手の進路指導

 時には選手に厳しい言葉を投げかけることもある。その中で肝に銘じているのは自身の感情で言葉を発しないことだ。「自分の感情をぶつけないこと。その中で(選手の)気持ちを上げたり下げたり、考えながら選手に接します」と話す。

 何よりも重視しているのは、選手に中学高校でもプレーしてもらうこと。そのためには労をいとわない。選手の進路決定にも積極的に携わり「中学だけではなく、高校の進路でも相談に乗ることはあります。そこは何よりも力を入れています」。自身は熊谷市の小学校教諭。最善の道を一緒になって探る。

 こうした取り組みは評判を呼び、硬式球を使用する小学4年からの部員数は29人(6年生13人、5年生7人、4年生9人)。深谷市外、埼玉県外から通ってくる子どもも少なくないという。

 本気で野球に取り組む選手と、それに応える指揮官。深谷ボーイズの今後の戦いに注目だ。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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