球団の打診を拒否→貼られた“わがまま”のレッテル 456億円男に米同情「責任ない」

一塁転向案を拒否のデバース、米メディアは擁護
レッドソックスのラファエル・デバース内野手が浮上している一塁転向案を拒否している件について、米メディアはデバースを擁護する論調となっている。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は12日(日本時間13日)、「レッドソックスは、ラファエル・デバースを指名打者に専念させて、あとのことは自分たちで何とかすべきである」との記事を出した。
レッドソックスは昨オフにアレックス・ブレグマン内野手を獲得しており、それまで正三塁手だったデバースは球団からの打診で指名打者での出場を受け入れていた。そして、正一塁手だったトリストン・カサス内野手が2日(同3日)に膝を負傷し、シーズン絶望に。デバースは編成トップのクレイグ・ブレスロー氏から一塁での出場を打診されたと言う。
一連の流れに「レッドソックスが、ブレグマンのためにデバースに三塁を明け渡し、指名打者に回るように求めたことは、完全に正当化できる」と説明。その上で「今回、彼がこれまで一度も守ったことのない一塁というポジションへの再転向を求めるのは、かなり正当化するのが難しい」と指摘した。
「レッドソックスが、カサスの代わりを見つけるのを怠ったのは、デバースのせいではない。そして、デバースにとって一塁へのコンバートが容易ではないことは誰の目にも明らかだ。このポジションは、繊細で習得が難しい」と強調。「理論的には、この動きは理にかなっている」としてデバースを一塁にコンバートすれば攻撃力がアップする上に、吉田正尚外野手が復帰した後、指名打者の枠を空けることができることにも言及している。
シーズン中のコンバートは「怪我や打撃不振、失態を招くリスク」
一方で吉田の状況についても「デバースの責任ではない」という。シーズン中のコンバートは「怪我や打撃不振、失態を招くリスクがある」とし「デバースがこのようなどちらに転んでも損をする状況に置かれてしまったのは、ほぼチーム側の責任と言えるだろう。レッドソックスはこの状況で一体何を目指しているのか?」とチームの方針に疑問を呈した。
そんな中でも「デバースは世間の非難を恥じて、ポジション変更を受け入れることになるだろう」と推測。一方でレッドソックスを「球団史上最高額の契約延長を結んでからわずか2年半も経たないうちに、まるで彼に出て行ってほしいと考えているかのように見える」と非難し「彼がいつかトレードされるという考えは、それほど突飛なものではない」と続けた。
ブレスロー編成本部長とアレックス・コーラ監督がデバースとコンバートについて話し合ってから数日が経過したが、対立は依然として続いているという。「今回の問題は、レッドソックスが最初からデバースに正直に向き合っていれば、完全に回避できたはずのものだった」として、コミュニケーションに問題があったとしている。
さらに「最悪なのは、彼のキャリアのほとんどで全くそうではなかったのに、(この一連の騒動によって)一部の人がデバースが“わがままな選手”と見なすだろうということだ」と指摘。「レッドソックスが彼と契約延長したのは、選手としての能力だけでなく、人間性への信頼があったからだ。それなのに、今ではこのような状態になってしまった」と嘆いた。
最後に吉田の事情にデバースが「合わせる必要がない」ことを強調。FAとなっているアンソニー・リゾ内野手らが存在し代替え案がある中「デバースが一塁の穴埋めをする必要もない」とし「レッドソックスはデバースに打つために金を払ったのだ。彼に打たせればいい。残りのことはチームが何とかしたらいい」と求めていた。
(Full-Count編集部)