古田敦也氏が発した何気ない“一言” スポーツ現場も結果主義…番組27年の真髄

テレビ朝日「GET SPORTS」でMCを務める南原清隆氏【写真:小林靖】
テレビ朝日「GET SPORTS」でMCを務める南原清隆氏【写真:小林靖】

1998年4月に始まった「GET SPORTS」のナビゲーターを担当

 タレント・南原清隆さんは、テレビ朝日「GET SPORTS」(毎週日曜深夜1時55分、関東地区)で、1998年4月の番組開始当初からナビゲーターとして競技の奥深さや選手の心理などを伝え続けている。今月18日の放送回では進化する野球のデータやトルピード(魚雷)バットについて検証している。

「僕、芸能生活を40年やっているのですが『GET SPORTS』が一番付き合いが長いんです。26、27年レギュラーとしてやらせてもらっていて、一番いいのは『これやりたい!』と言ったことが意外と通るところですかね(笑)。趣味なのか、仕事なのかという部分をうまく超えている感じがしますね」

 熱心な番組スタッフに支えられ2時間程度の会議を3回ほど行う。入念な準備をして収録に臨むが、いざ本番では「その場で起こったことを第一優先にしています。ゲストが黙ったなとか、別の人が喋りたそうにしているとか、ある話題でみんなの反応が変わってきたから、もうちょっと聞いてみようかとか。尺のこともあるので、そのあたりも考えながら」。熟練の“技”が番組に流れと説得力を生んでいる。

「野球はコツ探しなんです」。取材活動において、ヤクルトで活躍した古田敦也氏、宮本慎也氏が発した何気ない言葉が強く印象に残っているという。「練習中に映像やデータをみながら『そうか、こういう風にやればいいのか』と話していて『野球はコツ探しなんです』と教えてもらいました。その言葉は、僕の中で応用して今でも意識しています」。

 情報を伝える側として、日々“コツ”を探しているという。「どうやったら相手に届くんだろうというところで、僕の人生の中で非常に生きている言葉なんです。でもコツを探すにはある程度数をこなさないと見えてこないんですよ」。何事にも繰り返し挑戦することで些細なきっかけが生まれる瞬間がある。それまでうまくいかなかったことが、一気に好転する――。そんな“コツ探し”を大切にしている。

古田敦也氏、五十嵐亮太氏らと番組を進行する南原清隆氏【写真:小林靖】
古田敦也氏、五十嵐亮太氏らと番組を進行する南原清隆氏【写真:小林靖】

お笑いもスポーツ同様に「割と結果が伴う仕事なんです」

「スポーツとお笑いには親和性があるんです。僕はプロスポーツ選手じゃないですけど、結果が割と伴う仕事なんですよ。お笑いってウケるかウケないかとかで、そこには何でウケなかったんだろうっていう理由、過程があるんです。あるいはテレビでいうと視聴率という明らかなデータで結果が出るわけじゃないですか。お客さん、ファンを相手に結果を求めるところで、スポーツとお笑いに親和性があるんです」と力を込めた。

 今月18日放送回での収録では従来のバットとトルピードバットを実際にスイング。「トルピードの方が振りやすいです。バットの先がクルンと振り抜ける感じがする」と感覚を伝えた。さらに弾道や回転数などを細かく分析する「ラプソード」も体験。投げる球質の改善にも挑戦した。 

「野球の進化がすごくて、今後どうなっていくんだろうなと思いました。世間そのものが、AIも含めてどんどん進んでいる。取材者としては見ている人に自分の中で確認できたよとか、課題を客観視できたと思ってもらえるように心がけています。対象者にも『きょう取材受けてよかったです』と言ってもらえるのが理想です」

 エンタメ界屈指の“伝えるスペシャリスト”の南原さんが、独自の視点からスポーツの奥深さを発信し続ける。

「GET SPORTS」
5月18日(日)深夜1時55分~ テレビ朝日
後日TVerで無料見逃し配信も実施

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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