102億円も炎上続き…ド軍スコットにLA記者が感じた2つの“異変”「危険な組み合わせ」

メッツ戦に登板したドジャースのタナー・スコット【写真:荒川祐史】
メッツ戦に登板したドジャースのタナー・スコット【写真:荒川祐史】

スコットは17日まで防御率1.74も3試合で“倍増”した

【MLB】ドジャース 7ー5 メッツ(日本時間24日・ニューヨーク)

 ドジャースは23日(日本時間24日)、敵地のメッツ戦に延長13回の末に7-5で勝利した。雨で1時間33分の中断もあり、試合開始から5時間46分後の決着。もっとも、本来は9回にタナー・スコット投手が抑えていれば日を跨がずに勝っていたはず。ここにきて失速する左腕。米記者は今季の“悪い傾向”を指摘している。

 まさかの炎上となった。スコットは5-2の9回にマウンドへ。しかし、先頭のマルテに安打を許すと、1死後にアロンソに四球を出してピンチ拡大。ここでマクニールに適時三塁打を許して1点差に迫られた。そして続くテーラーに同点の適時打を浴びてKO。顔面蒼白の様子で降板し、ベンチではタオルをかけて落胆していた。

 直近では、20日(同21日)の本拠地ダイヤモンドバックス戦でもセーブ失敗。この時は山本由伸投手が7回無失点1安打、9奪三振と好投していたが、1-0の9回に痛恨の同点弾を被弾。さらに延長10回に勝ち越し弾を喫した。ここ3試合で2度目の炎上。防御率も1点台から3.42と一気に悪化した。

 地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」のドジャース番、ジャック・ハリス記者は「今季のタナー・スコットにとって懸念される点が2つある」として、守護神の乱調を分析した。「今季の平均球速は96.2マイル(この日の登板では95.2マイル)で、昨年の97マイルから少し下がっている」と球威がやや低下した上で「ストライクゾーン内への投球率は昨年の52.4%から58.4%に増加し、ゾーン内被打率(コンタクト率)も74.4%から81.1%に上昇している」という。

「奪三振25に対し四球はわずか2つと制球は良くなっている」ものの、「球威が落ちた状態でゾーンに投げ込みすぎるのは、打たれやすくなる危険な組み合わせかもしれない」とし、ハリス記者は不調の要因を分析した。一方でロバーツ監督は「投げる球自体も良かった。とにかく四球を出してほしくなかった。彼を起用することについて、私としては問題はなかった。公平のために言うと、彼よりもほかの選手たちの方が多く起用されている」とし、蓄積疲労の可能性を指摘している。

 マーリンズ時代の2023年に74試合で防御率2.31、昨季は2球団で72試合に投げて防御率1.75と圧倒的な成績を残した左腕。過去2年の勝利貢献度WAR7.9は救援投手1位で、オフに4年7200万ドル(約102億円)の大型契約を手にした。果たして不調が一過性なのかはたまた……。スコットの出来がドジャースの命運を左右するかもしれない。

(Full-Count編集部)

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