2000安打まで「苦しかった」 足踏み、連続試合出場ストップ…浅村栄斗が涙、吐露した胸中

2000本安打を達成し、会見に臨んだ楽天・浅村栄斗【写真:町田利衣】
2000本安打を達成し、会見に臨んだ楽天・浅村栄斗【写真:町田利衣】

「うれしい記録のはずなんですけど、それがいつの間にか苦しいなって」

■楽天 2ー1 日本ハム(24日・楽天モバイルパーク)

 楽天の浅村栄斗内野手が24日、楽天モバイルパークで行われた日本ハム戦の第1打席に右前打を放ち、史上56人目の通算2000安打を達成した。残り36本で迎えたシーズンは、金字塔目前で足踏みが続き、連続試合出場も1346試合で止まった。ようやくたどり着いた節目に「うれしい記録のはずなんですけど、それがいつの間にか苦しいなって変わって……」と胸中を吐露。ヒーローインタビューでは涙を流した。

 4月27日のソフトバンク戦の5回に中前打を放って「M9」としてから、自己ワーストの35打席連続無安打の屈辱を味わった。その後も、これまでのように快音は響かない。20日の西武戦では今季初めて先発を外れるとそのまま出番はなく、2015年8月8日から続いていた連続試合出場も途絶えた。

「毎日毎日、皆さんに『今日打てなかったですね』とか『あと何本』とか、そういうことを聞かれていくうちにしんどくなって。家族や周りの人も球場にほぼ毎日来てもらって、いろいろな人に申し訳ないなって思うようになって、そこからプレッシャーはすごく感じていました。チームの目標ではないので、早く離してチームのために集中したいと思っていたんですけど、それがプレッシャーに変わってなかかなかヒットが出ない。今までにない感覚はありましたし、苦しかったです」

 重いものを背負いながら迎えた初回の第1打席。1死から安打で出塁した小深田大翔内野手が二盗を決め、走者は得点圏に進んだ。外角カットボールにバットを合わせると、浅村らしく逆方向へ放たれた打球が右前で弾んだ。満員御礼となった本拠地のファンから万雷の拍手を浴び「忘れることがない、一番思い出に残るヒットだと思います」と安堵した。

 何度も何度も「苦しかった」と口にした会見の最後、サプライズで登場した同学年の則本昂大投手から花束を渡されると「なんか引退会見みたいやん」と言ってようやく笑みをこぼした。重圧から解き放たれた背番号3は、「1本でも多く打ってチームに貢献できるように。チームとしてはなかなかうまくいかないことも多いですけど、何とか打破して上を目指してやりたいと思います」と次なる目標を定めた。

(町田利衣 / Rie Machida)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY