中日OBが“警戒”する交流戦 豪華先発陣に160キロ剛腕…指摘したセ・パの違い

川上憲伸氏、交流戦は「攻め方や考え方が普段と変わる」
野球中継がない月曜日にもファンに楽しんでもらうために始まったパーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルの「月曜日もパテレ行き」。今回は、谷繁元信氏、里崎智也氏、ゲストとして川上憲伸氏が出演し、交流戦の各チームのキーマンや、思い出話などのトークを繰り広げた。
いよいよ6月3日から「日本生命セ・パ交流戦 2025」が開幕する。3週間にわたって異なるリーグのチームと対戦する期間。ここで同リーグのチームと差をつけ、レギュラーシーズンをリードするチームも少なくないだけに、各球団にとって重要な試合が続く。そんな交流戦について、日米通算117勝をマークした川上氏に、意識していたことを聞くと、セ・パの野球の違いを語った。
「セ・リーグでの試合では、9番・投手の打順でイニングを終わらせなかったり、いかにバントさせないようにしたりできるかが、1つの鍵になります。DH制で行われるパ・リーグの試合では、9番にもそれなりに良い打者が入るので、いつもより長打を警戒する必要がありますし、バントをしてこないことも多いです。攻め方や考え方が普段と変わるところが、難しかったですね」
また配球に関しては「裏の裏をかかなくて良い」と話す。対戦が多いセ・リーグの選手に対しては、普段と攻め方を変えて裏をかき、さらにその裏まで考えてピッチングを組み立てていたが、逆に年に3試合しか対戦しないパ・リーグの選手に対しては、素直に打者の反応を見て球を選ぶことが多かったと当時を振り返った。
交流戦で川上さんが意識していたのが“緩急”だという。「普段はこのタイミングでカーブを投げることは少ないけれど、あえて最も遅いカーブを投げようだとか。フォークが得意ではないけれど、少し多めに使おう」と、普段のピッチングスタイルに変化を付けていたという。
さらに「環境によって普段使えない変化球が使えたり、逆に使えていたものが使えなくなったりする」と、球場の特徴を考慮した投球術も求められると語る。川上さんはZOZOマリンスタジアムだとフォークがいつもより良くなったそうで、実際に同球場で登板した2005年5月20日は9回1安打無四死球1失点だった。普段と違う環境、違う相手との対戦について「自分に味が出て良かった」と笑顔で振り返った。
パ・リーグで注目しているチームを尋ねると「先発ローテーションがあそこまでそろっているチームは少ない。他のチームがどのように対応してくるのか注目しています」と、西武の先発陣を挙げる。今季ここまで圧倒的な成績を残している今井達也投手については、「ノーヒットノーランを達成するのではないかと思わせる。そのくらいの投手になってきています」と称賛していた。
(「パ・リーグ インサイト」東海林諒平)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)