球速アップに必要な「45度の我慢」 米国流コーチ推奨…壁押しで得る“理想の並進運動”

球速アップに必要な「並進運動」、軸足の使い方を松本憲明氏が紹介
球速アップに必要なスキルの1つに「並進運動」がある。軸足から、ステップした踏み込み足に体重移動をする際の動作だが、やり方を間違うとフォームが乱れマイナスになることもーー。米国式野球アカデミー「Be an Elite.」代表の松本憲明氏が、並進運動に繋がる「軸足の使い方」を紹介している。
軸足に溜めた力を、ステップして一気に開放する。踏み出す足で“ブレーキ”をかけることで上半身が一気に前に出て、出力の高いボールを投げることが可能になる。言葉では簡単だが、実際にフォームに落とし込むとなれば話は別だ。
現役時代に球速を143キロから最速151キロまでアップさせた松本さんは現在、誰でも簡単に理解できる指導を心掛けている。例えば、並進運動をスムーズに行うには「軸足」の使い方がポイントで、「Be an Elite.」でも実践しているのが壁を利用する「体重移動ドリル」だ。
まずは壁にグラブ側の手をつけ片足(軸足)で立ち、その後に股関節を曲げる「ヒンジ」の形を作る。その後は軸足の脛を内側に倒していく。そうすると手に体重がかかり、壁を強く押せる状態になる。
「並進運動は速さも大事ですが、強く地面を押すことも必要。マウンドに対して脛がどれくらい倒れているかがすごく重要です。球が遅い選手やボールが抜ける選手は脛が立った状態で投げていることが多い。ですが、球の速い投手は股関節に体重が乗ったまま、脛の角度が45度になるくらいでマウンドを蹴っています」
ポイントは脛を倒す際に膝が内側に入らないこと。足の裏が浮き、地面を強く押せなくなるので注意が必要だ。マウンドを強く蹴り、いかに体重移動をスムーズにできるか。これまで数々の投手の球速アップを実現させてきた松本さんのドリルを反復し、並進運動をマスターしたい。
(First-Pitch編集部)
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