“情報過多”時代に警鐘「間違った内容も」 強打者ラミレス氏が幼少期に大切した習慣

「くら寿司トーナメントポップアスリートカップ2025」大会会長を務めるA・ラミレス氏
情報が溢れかえる野球界だからこそ、大切にしてもらいたい“日本人らしさ”がある。全国約1750の少年野球チームが頂点を争う「第6回くら寿司・トーナメント2025 第19回学童軟式野球全国大会ポップアスリートカップ星野仙一旗争奪」(くら寿司トーナメントポップアスリートカップ2025)の大会会長に、元DeNA監督のアレックス・ラミレスさんが就任。12月のファイナルトーナメントまで続く熱戦に挑む小学生の子どもたちに、心身にわたるアドバイスを送ってくれた。
5月中旬、大阪・堺市で開催された開会式に集った小学生たちを見て、思い返したのは自らの少年時代だ。ベネズエラで野球を本格的に始めたのは8歳の時。そこで、コーチにまず教え込まれたのはプレー以前に「人を敬う大切さ」だったと明かす。
「チームメートや周りの人たちだけではない。野球に対してもリスペクトを持って接する。そうすれば、相手も自分をリスペクトしてくれるようになる」。だからこそ、子どもたちにもまずは、親や学校の先生、チームの指導者の話をよく聞く大切さを訴えた。「野球はフィールドの中だけで結果が出るものではない、家や学校でも礼儀正しく振る舞えれば、それがプレーにも表れます」。ヤクルト、巨人で通算2017安打を積み上げてきた経験も踏まえて、そう語った。
今は小学生でもインターネットやSNSを通して、簡単に野球技術に関する情報を手に入れられる時代。自身もYouTubeチャンネルを開設しているだけに様々な技術動画に触れる機会も多いというが、「間違った内容のものもいっぱい出ています」と警鐘を鳴らす。
「今の子たちは(MLBの影響で)海外動画を見ることも多いと思うけれど、例えばフライボールを打つような打ち方は、パワーのある米国人には良くても、日本人に合うとは思わない」。まだ小さい小学生には情報の良し悪しの見極めは難しいが、周囲のアドバイスも聞きながら正しい選択をしてほしいと願う。「私は小さい頃はよくランニングをして腹筋を鍛えました。小学生たちにも、まずは走ってスタミナをつけて、インナーマッスルを鍛えてほしい。それが野球にもつながります」と土台作りの大切さを語ってくれた。
近年、競技人口の減少が叫ばれる少年野球界だが、「こういう大きな小学生の大会が行われるのは素晴らしいこと。会長として携われるのは光栄です」とラミレスさん。持ち前のサービス精神で、半年間にわたる盛り上がりをサポートしていく。
(高橋幸司 / Koji Takahashi)
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