試合過多の小学生は「動かせない関節が多い」 球速&飛距離アップの鍵握る“上半身の部位”

関メディベースボール学院の指導の様子【写真:橋本健吾】
関メディベースボール学院の指導の様子【写真:橋本健吾】

パフォーマンスを上げる“ねじり&しなり”…棒1本でできる胸郭エクササイズ

 小学生から中学生に上がると、硬式球を扱う球児が一気に増加する。肉体は成長途上だけに、怪我には十分な注意が必要だ。今春、68人の1年生が入部した中学硬式ポニーリーグ「関メディベースボール学院中等部」(以下、関メディ)の井戸伸年総監督は「打撃や投球の土台を作ることが大切」と、基礎トレーニングの重要性を説く。

 打撃や投球で大きな力を出すには、下半身と上半身の分離動作が必要になる。直線的な運動だけでは出力を出すのに限界があり、体のねじりやしなりを使うことで飛距離や球速アップに繋がるという。そこで、関メディの中学1年生が必ず行うトレーニングが「胸郭エクササイズ」だ。

 1メートルほどの棒を用意し、背中の後ろで棒を両腕で挟み背筋を伸ばす。しっかり脇を締め体勢を整えて上下左右、回旋を入れながら胸郭を動かしていく。ポイントは顔を動かさず下半身を止めながら、上半身だけを動かすことだ。

 体の各部位を思い通りに扱えると、上半身と下半身の連動はスムーズになり、高いパフォーマンスを発揮できる。打撃なら体の開きを抑え、投球なら手投げを防ぐことも可能。柔軟性も上がり怪我防止になるだけに、胸郭の柔らかさは野球の技術向上には必要不可欠だ。

 高校で活躍できる選手育成を掲げる井戸総監督は「体が動かないのには必ず理由があります。小学生は試合が多く、動かせていない関節、筋肉はたくさんあります。技術と並行しながら、体を扱えるようになってほしい」と力を込める。技術を身につけるには、それを支える大きな土台が必要になる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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