4か月で5度「投げたら降格」…ド軍右腕が理解する“現実” 呼び出されるロバーツ監督の部屋

ドジャースのマット・サウアー【写真:Getty Images】
ドジャースのマット・サウアー【写真:Getty Images】

昇降格を繰り返して投手陣を支えるサウアー

 ドジャースは18日(日本時間19日)、マット・サウアー投手をマイナーに降格させたと発表した。今季はここまで東京シリーズ直後も含めて5回の降格を経験。「自分の役割は理解しているよ」。メジャーとマイナーを行き来しながら、チームを支える右腕が心境を明かした。

 26歳のサウアーは沖縄生まれの母を持ち、自身はドジャースタジアムから車で約3時間の場所にあるサンタマリアで生まれ育った。「ドジャースタジアムで投げることはとてもクールだし、毎回信じられないことだと感じるんだ」とニコリと笑う。

 4月には2度、登板翌日の降格を経験。わずか3か月の間に、ドジャースと3Aオクラホマシティを慌ただしく行き来してきた。「必要なときに呼ばれて、役割を終えたら降格する。自分の役割は理解しているよ」。6月10日(同11日)に今季4度目の昇格となると、同日の敵地パドレス戦では2回に登板し、他の投手を休ませるために111球を投げた。ロバーツ監督は「マットに本当に感謝している。明日シリーズを勝ち越せるチャンスをくれた」とねぎらった。

 111球を投げた4日後、調整を進めていたサウアーは「まだ回復中だけど、調子はいいんだ。どんな役割を与えられても、ブルペンのために投球回数を稼げればいいと思っている。谷間、ロングリリーフ、出来ることはなんだってやるよ」と悲壮な決意を口にした。

 たとえ好投しても、自分は“繋ぎ役”。主力メンバーの復帰や、新選手を獲得した時にはマイナー行きとなる。「ドック(ロバーツ監督)の部屋に呼ばれて、会話をするんだ。そのあと『荷物をまとめてくれ』って感じだね」。当初、昇降格が決まったときは家族に電話で伝えていたが「もう、たくさん行き来するからね」と、今はメールで伝えるようになった。

 オプション回数に含まれない東京シリーズ後の降格を除くと、今季の降格は4度目。オプションを使って降格できるのはあと1回で、それ以降に降格させようとする時はDFAを経る必要がある。「行き来することにはストレスに感じすぎないようにしている。上に呼ばれたら、準備万端の状態で行けるようにしているんだ」。雇われている以上は、自分の役割を全うするだけだ。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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