野球初心者に投げ方をどう教える? 日米905登板の鉄腕お勧め…遊び感覚の“ワンバン練習”

小学1~3年生400人が参加…4競技を体験するイベントに出席した五十嵐亮太氏
小学校低学年の野球未経験者に、どうしたら楽しさを知ってもらえるのか。現役23年で日米通算905試合に登板した名リリーバー、五十嵐亮太氏は投げ方指導でワンバウンド投球を推奨する。上から叩く理想の投げ方が自然と身につくという。
日本サッカー協会(JFA)とユニクロによるイベント「JFAユニクロマルチスポーツキッズ」が6月21日に国立競技場で行われ、小学1年~3年生の約400人が参加した。野球、サッカー、陸上、ラグビーの4競技を体験できるイベントで、野球界からはソフトバンク・王貞治球団会長、五十嵐氏がゲストで登場。子どもたちを指導した。
五十嵐氏は投げることの楽しさを伝えた。ボールの握り方を教え、次に地面にボールを叩きつけ跳ね上がったボールをキャッチしたり、ボールを真上に投げ上げてキャッチしたりするメニューに移っていった。「ボールの握り方を分からない子は意外に多いですね。力の入れ具合を感覚として分からない子もいます。地面に叩きつけたらどれくらい跳ね上がるかなど、感覚を掴んでもらうことを心がけています」と語る。
次のメニューは「ワンバウンドキャッチボール」。2人1組になって、ワンバウンドで相手に向かって投げる。ノーバウンドでは暴投したり、相手が捕球できなかったりすることが多い。ワンバウンドだとこうしたことも減り、投げ方にも効果が生まれるという。
「ノーバウンドで届かせようとすると、腕を押し出すように投げてしまいがちです。ワンバウンドの方が高いリリースポイントから投げられます。上からしっかり投げられるようになります」
五十嵐氏も様々なスポーツに取り組むことのメリットを実感している。小学4年まで北海道で暮らし、アルペンスキーで国体に出場した父の影響もあり、冬場はスキーに熱中。他にも水泳、バスケットボール、バドミントン、バレーボールなどを経験した。
「同じスポーツをずっとやっていると、どうしても偏ってしまう。様々なスポーツに取り組むことで、普段やらない動きが体に刺激として入ります。それが、感覚としていいものに変わっていく。同じ動きを繰り返すことで怪我のリスクも高まります。違う刺激を入れることで視野も広がっていくと思います」。子どもの頃に多くの刺激を受け、感覚を研ぎ澄ませることは将来の飛躍に繋がる。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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