柵越えで10点、園児も楽しめる斬新ルール 1600人参加の大盛況…人気呼ぶ“DeNA考案”競技

初心者も“野球”を堪能…横浜スタジアムで開催された「DB.スターマンカップ2025」
小さな子どもたちに野球の楽しさを知ってもらいたい――。横浜DeNAベイスターズの取り組みが人気を集めている。6月29日に横浜スタジアムで開催された「DB.スターマンカップ2025」には、幼稚園の年中から小学2年生まで約200チーム、約1600人が参加。ボールを投げたり打ったりする楽しさに触れた。
「DB.スターマンカップ2025」で実施されたのは、DeNAオリジナルのベースボール型競技「BT(ビーティー)ボール」。ティースタンドに柔らかいボールを乗せて柔らかいボールを打つ「ティーボール」のルールを一部変更し、未就学児でも楽しめるようにした。
1チームの人数は、5人以上最大10人の子ども&大人1人。1イニング制で10打席が完了した時点で攻守交替となる。守備側は一度に5人が守り、自由に交代できる。打者は打ったらダイヤモンドを走るが、得点する喜びを実感できるように工夫が凝らされている。空振りしても三振はなく、何度も打ち直し可能。打ったら打席の近くに設けられた「バットボックス」にバットを置けば1点が入る。
守備側がダイヤモンドの真ん中にいる大人にボールを戻す前に、踏んだ塁の数が得点になる。グラウンドのサイズは両翼16メートル、中堅20メートル。ノーバウンドで“柵越え”なら一気に10点が入る仕組みで、野球初心者でも楽しめるルールとなっている。

三浦大輔監督が監修した「BTボール」…参加希望者は右肩上がり
「BT(ビーティー)ボール」が考案されたのは2017年。球団の「野球未来創造室 野球普及・振興部 地域コミュニティグループ」でグループリーダーを務める浦田晃仁氏は「競技人口が減る中で、野球に触れてもらう機会を作りたいと思いました。野球は敷居が高い側面もあるので、このような遊びから入る形が良いのではないかと思いました」と語る。当時は球団のスペシャルアドバイザーだった三浦大輔監督が監修し、ルールづくりが進められた。何よりも重視したのは、子どもたちに得点する喜びを味わってもらうことだったという。
第1回大会が開催された2017年当時、参加したのは100チーム以下。当初は未就学児だけが対象だったが、小学1~2年生も対象としたこともあり参加者が増えた。8度目の開催となった今年は約3000人が応募するほどだった。
参加者は、このイベントを心から楽しんでいた。出場した小学2年生6人のチーム「鶴見のイケメン」では、野球経験者は1人だけ。チームを率いた藤次陽介さんは「走る方向が一塁なのか三塁なのか分からない子もいますが、楽しんでいました。こういうイベントを通じて野球に興味を持ってくれればうれしいですね」と実感を込めて語った。
DeNAは2017年、野球振興活動を強化する取り組みとして「やきゅうみらいアクション」を立ち上げた。そして今年、活動総称を「Bみらいアクション」と改め、野球の未来、学びの未来、地域の未来を繋ぐ活動に取り組んでいる。地域・社会貢献に積極的なDeNAの、今後の活動が楽しみだ。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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