21歳ドラ3の飛躍を支える魔球…リーグを凌駕する「25.7」 レジェンド直伝で覚醒

ロッテ・田中晴也【写真:球団提供】
ロッテ・田中晴也【写真:球団提供】

ロッテの3年目・田中晴也が奮闘している

 2022年ドラフト3位でロッテに入団した田中晴也投手が着実に成長の階段を上っている。高卒2年目の昨季は6月に1軍デビューを果たし、7月3日の日本ハム戦でプロ初勝利をマーク。今季も8試合に登板してチームトップタイの3勝、防御率2.47と先発陣の一員として存在感を示している。特に47回1/3を投げて49個の三振を奪い、奪三振率9.32はリーグ平均6.61を大きく上回る数字だ。(表中の数字はすべて2025年6月26日終了時点)   

 田中の武器となっているのが、かつて「一番苦手としているボール」と語っていたフォークボールである。2024年春季キャンプで野茂英雄氏から握り方などの指導を受け、その後は精度面が大幅に向上。今季は被打率.167をマークし、リーグ平均を大きく上回る奪空振り率25.7%を記録している。インプレー打球となった28球のうち19球がゴロ打球となるなど、空振りを量産するだけでなく、バットに当ててもヒットになりにくい球種へと変貌を遂げた。

 配球面では追い込んだ後の勝負球として明確に位置付けられている。0、1ストライク時は平均球速150.1キロのストレートを軸に各球種をバランスよく投げ分けているが、2ストライク時はフォークの割合が約20%アップ。ストレートとフォークの2球種で投球の約8割を占め、力強い直球と並ぶ主力兵器として機能している。実際に2ストライク時の被打率.154、被出塁率.212と追い込んだ後の圧倒的な数字が田中の成長を物語っている。

 特に低めに決まったフォークの威力は絶大で、被打率.114とリーグでも上位の好数字を残している。ただ、低めへの投球割合はリーグ平均73.8%に対し田中投手は63.9%に留まっており、この部分の改善が今後の飛躍のカギを握りそうだ。6月7日の中日戦では7回1失点、自己最多となる9奪三振をマークし、改めてスケールの大きさを感じさせる投球を披露。21歳になったばかりの若手右腕は、まだまだ伸びしろを秘めている。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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