「来てくれるかわからなかった」 球団幹部の逡巡…DeNAフォード“出戻り”の背景

DeNAに復帰したマイク・フォード【写真:町田利衣】
DeNAに復帰したマイク・フォード【写真:町田利衣】

フォードが入団会見「戻ってくることができてうれしく思います」

 DeNAに復帰したマイク・フォード内野手が12日、横浜市内の球団事務所で入団会見を行った。昨季限りで退団していた助っ人が“即出戻り”となった背景を、同席した萩原龍大チーム統括本部長が語った。

“打のチーム”とされてきたDeNAが、現在リーグ4位のチーム打率.228に沈む。オースティンは故障で離脱中で、筒香も不振により2度目の2軍落ち。「皆さんも御存知の通り、今の課題はオフェンスだということは6月、5月からわかっていたこと。2月、3月と追加の補強を考えていた中でいろいろな考えがいっぱいあったんですが、今は攻撃の補強をするべきだという話になった」と萩原本部長は明かす。

 昨年7月に加入して、シーズンこそ6試合で打率.200にとどまったフォードだが、ポストシーズンでは12試合で打率.333、1本塁打、2打点と26年ぶり日本一の力となった。本人が米復帰の意思が強かったことから同年限りで自由契約となっていたが、その動向は常に注視していた。

「正直もう一度来てくれるかわからなかったので、ずっと追ってはいたものの声をかけるのを逡巡していたんですが、ここは思い切って、向こうのチーム(ツインズ)を離れたときにうちの可能性はあるのかいう問いを代理人を通じて投げかけたところ、興味はあると言ってくださったので契約を結びました」

 当然“新助っ人”という選択肢もあった。しかしDeNAを知っている存在であるということは大きかった。萩原本部長は「毎年シーズン途中の補強は悩ましくて、来日するまでの期間や、そこからアジャストする期間もある。その可能性も全部含めて考えていますし、我々のチームにいたこと、中まで知っているのは非常に大きなアドバンテージだと私は思っています」とうなずいた。

 一塁専任のフォードは起用法に幅を持たせるような補強ではないかもしれない。しかし「TA(オースティン)だけでなく佐野選手もいて、いろいろな選手が一塁を守れるのはわかっています。ただ何人いたとしてもいい選手が使われるべきであり、攻撃力が上がるならためらうべきではない」とチーム方針がブレることはない。ほかに手薄なポジションがあることは「重々承知している」とした上で、「シーズン途中のいろいろな選択肢の中で、我々が今ベストだと思った選択肢です」と言葉に力を込めた。

 フォードは「ベイスターズに戻ってくることができてうれしく思います。いつでも戦える準備はできています。昨年同様、チームに日本一をもたらす活躍ができたらなと思います」とにっこり。頼もしい背番号「99」が横浜に帰ってきた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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