巨人戦6連敗…貧打のDeNAが見習うべき坂本勇人の凡退 村田Cが求めた“意図ある打撃”

前回対戦時は3試合連続零敗、今カードも初戦で牧が放ったソロの1点のみ
■巨人 3ー0 DeNA(12日・横浜)
DeNAは12日、本拠地で行われた巨人戦に0-3で敗れた。巨人相手にはこれで6連敗となり、直近5試合で計1得点しか奪えていない。この日は6安打を放ちながら本塁が遠かった打線。深刻な打線の現状打破へ、村田修一野手コーチが“お手本”に挙げたのは、相手の4番打者でありこの日は4打数無安打だった坂本勇人内野手だった。
前回対戦した6月27〜29日は屈辱の3試合連続零敗。そして今カードも11日に牧のソロで1点こそ奪ったものの、またしてもスコアボードにゼロが並んだ。攻略が難しい好投手と対峙していることは間違いない。しかし村田コーチも「プランは立てているけど、なかなかそれをさせてもらえない。思うようにいっていない現状です。苦手意識が全体的にあるかもしれないですね。全員で払拭していかないといけない」と危機感をあらわにするほど、深刻な状況だ。
ただ安打が出ても、得点につながるとは限らない。チームの勝利のためになるかどうかが重要だ。「意図した球を意図したところに打てる選手になっていかないといけない」と求める村田コーチが、「相手チームですけど……意図したところに打ってますよね」として挙げたのが、初回の坂本の打席だった。
先頭の丸が三塁打で出塁。続く佐々木が中堅フェンス直撃の二塁打で、わずか3球で先制点を奪われた。さらに吉川の安打で無死一、三塁となったところで、通算2440安打を誇る坂本が打席に入った。カウント3-2からの6球目で吉川が二盗に成功。坂本は7球目を打ってニゴロの間に2点目を加え、吉川は三塁に進んだ。
「あのセカンドゴロは強烈に効きますよね、こっちに。1点取られて、一、三塁でゲッツーかなと思ったときにスチールをかけられて、(カウント)3-2になった瞬間にステップを小さくしてバット短く持って、意図してセカンドゴロを打ちに行って。それで2点目が入って、3点目につながった。うちの今の打線では3点目はってたぶんあっちも思っているから、ああいう打球が意図してできる球団と、なかなかできないうちとの差。それを選手たち僕らも感じないといけない。いい勉強をさせてもらいましたし、また明日から頑張ります」
この日は無安打でも、確実に勝利に貢献した36歳の技。一朝一夕に身につくものではないが、まずは意識から変えていかなければならないだろう。13日も今季防御率1.91、前回対戦時に7回途中までわずか3安打で無得点に封じ込められた難敵・赤星との対戦が待つ。偶然ではない、“必然の打撃”の先に勝利が見えてくる。
(町田利衣 / Rie Machida)