大谷翔平だけの“別世界”は「ボンズでも見たことない」 怪我再発の不安も一蹴

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

歴代最多762発バリー・ボンズ氏が来場、ロバーツ監督が大谷との比較論を展開

【MLB】ドジャース 2ー1 ジャイアンツ(日本時間13日・サンフランシスコ)

 文字通り、圧倒的だった。ドジャース・大谷翔平投手は唸るようなフォーシームで押した。初回、最速99.9マイル(約160.8キロ)で3者連続三振の立ち上がり。初回に投じた12球のうち9球がフォーシームというパワーピッチだった。

「ストレートでいけそうな雰囲気があったので、どんどん投げました。変化球でしっかりカウントも空振りも取れる。どちらを選択してもいけるというのが理想的だと思うが、今日は真っ直ぐを多めに選んだという感じかなと思います」

 6月28日(同29日)の敵地・ロイヤルズ戦でメジャー自己最速101.7マイル(約163.7キロ)。今季のフォーシーム平均98.4マイル(約158.4キロ)は、右肘手術を受ける前の2023年と全く同じ球速だ。周囲は怪我の再発を懸念するが、2度目の手術明けは力を入れて投げていない。明らかに投げる意識が違うようだ。

「(球速は)勝手に出ている感じはある。コマンド(制球)を重視しながら、まずリズムを作ることを考えて。球速が自然に出ているところが一番いいところかなと思う」

 初回でフォーシームを意識づけ、2回以降はスイーパー、カットボールを交えて3回4奪三振1安打無失点。7連敗ストップへ、スイスイと道筋をつけた。ロバーツ監督は「試合の流れを作ってくれた。いい形で試合に入ることができた」と大絶賛だった。

 この日、歴代最多762発のバリー・ボンズ氏がオラクルパークに来場。現役時代、ボンズ氏とチームメートだったロバーツ監督の囲み取材では、大谷とボンズ氏を比較する質問も出た。

「バリーは私が見た中で最高の打者だ。今の時代はジャッジやショウヘイがその位置にいるが、バリーはやはり別格だ」。稀代のスラッガーを称えたロバーツ監督だったが、大谷だけが踏み入れる“別世界”についても触れた。

「前日に海へホームランを打った翌日に先発するのは、バリー・ボンズでも見たことがない。これが当たり前のようになっているのが恐ろしいよ」

 サンフランシスコの英雄と比べても……。やはり二刀流・大谷は特別な存在であることは間違いない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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