1番・水谷は「本当に勘」 新庄監督の“急遽”起用に応えた「僕としては成長」

1番起用の水谷が決勝2ラン「前半戦で9本打てているのは僕としては成長」
■日本ハム 2ー1 西武(14日・東京ドーム)
日本ハムの水谷瞬外野手が14日、東京ドームで行われた西武戦で決勝の9号2ランを放った。まだ前半戦ながら、ソフトバンクから移籍1年目でブレークを果たした昨年に並ぶ9号。実はこの日の1番起用は新庄剛志監督の「勘」だった。
12、13日のオリックス戦は、1番・五十幡、2番・矢澤を据えて2連勝していた。指揮官は3連勝を飾った試合後、「今日、五十幡くんと矢澤くんの順番を変えないでおこうかなって。隅田くんだったし。でも最後の最後で水谷くんに変えて。何か打ちそうな雰囲気が出てきたので」と驚きの事実を明かした。
水谷は6月28日の対戦時にも隅田から左越えソロを放っている。しかしそれが理由でなければ、練習を見てということでもないのだという。「隅田くんの調子もあまりよくないからっていうところで、チェンジアップの切れがどうかなっていう。イメージですよ、イメージ。あんまり深い意味は……今日は本当に勘かな。いつもは勘じゃないんですけど」。
第1、第2打席は中飛に倒れていた水谷だったが、5回2死二塁で迎えた第3打席にカットボールを完璧に捉えて左翼席まで運んだ。会心の一撃に「5回入る前にロッカーで達に『お願いします』って言われて、『いや、お願いされません』って言っていたんですけど、なんとかお願いされました」と胸を張る。新庄監督も「ホッとしました」と起用的中に目尻を下げた。
現役ドラフトでソフトバンクから加入した昨季、交流戦MVPに輝くなど97試合(353打席)で打率.287、9本塁打、39打点と躍動した。そして今季、すでに本塁打数は昨季と並ぶ9本となった。「前半戦のまだ150打席行っていない中で(現在132打席)9本打てているのは僕としては成長というか、順調とは言えないけどいい過程でこられたかなと思っています」と話す姿もすっかり頼もしい。
チームは50勝リーグ一番乗りで、2位ソフトバンクとのゲーム差を3に広げた。貯金18は2016年以来、9年ぶり。しかし新庄監督は「いやいやいや、2011年は、もう24ありましたから。だから負けてるじゃない」。目指すのは、もっともっと先だ。
(町田利衣 / Rie Machida)