ネットなしの客席が物議「選手の邪魔」「もう無くしても…」 問われる存在意義

試合に出場した巨人・丸佳浩(左)と阪神・佐藤輝明【写真:加治屋友輝】
試合に出場した巨人・丸佳浩(左)と阪神・佐藤輝明【写真:加治屋友輝】

エキサイトシートで選手と観客が接触

■巨人 6ー5 阪神(21日・東京ドーム)

 まるでグラウンドにいるような臨場感が楽しめる“エキサイトシート”の存在意義が問われている。東京ドームで21日に行われた巨人-阪神戦では、飛球を巡って選手とファンが接触しそうになるシーンが何度も発生。結果的にアウトが“奪われる”ことも発生し、ネット上では「選手の邪魔」「もう無くしてもいい」と厳しい声があがった。

 同戦では初回、巨人の右翼手・丸がファウルグラウンドでグラブを伸ばすも、手を伸ばしたファンが先にキャッチしてしまい、丸はガックリとうなだれた。仮にファンがいなければ捕球できたと見られるが、今回はグラウンド側ではなく、客席側への打球だったためにファンの妨害とはみなされず、ファウルとして試合は続行された。

 8回には阪神の佐藤輝明内野手がファウルフライを追ってフェンス際へ。手を伸ばしてもキャッチは難しそうに見えたが、捕球したファンは佐藤輝を煽り、左翼席の阪神ファンからは大ブーイングが起きた。X(旧ツイッター)ではこの2つのプレーが注目を集め、「客も選手も守る為にエキサイトシートのとこにネット付けるしかないじゃん」「ここまで来るとエキサイトシートの存在意義が問われる」「両チーム損した」「臨場感が売りなんでしょうけど……」と様々な声があがった。

 NPBの各球場にはフィールドレベルに設置された客席も多く、臨場感を楽しめるのも魅力。選手によってはイニング間にキャッチボールができることも。しかし一方でファウルボールや、それを追った選手が飛び込んでくることもあって、危険な面もある。他の球場を見てみると、ベルーナドームでは2016年から、横浜スタジアムでは2018年からフィールドビューシートに安全性のためにネットを設置している。

 東京ドームのエキサイトシートにはネットが設置されておらず、ヘルメットとグローブが置かれている。ファンにとっては臨場感を楽しめるが、“取れるアウトが取れなかった”となれば、試合の流れが変わってしまうことも……。選手もファンも、両者が気持ちよくいられる球場が理想的なはずだ。

【実際の様子】阪神ファンからブーイングも…エキサイトシートに手を伸ばしファンと接触しかけた佐藤輝明

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