大谷翔平だけに起きている“異常” 大物OBが「討論の余地もない」と強調する背景

米殿堂入り、ブレーブスのレジェンドが語ったこと
近づく完全復活に議論が盛り上がりを見せている。6月に投手として復帰登板を果たしたドジャースの大谷翔平投手が、もしも1年だけ投手に専念したらどうなるのか。メジャー通算213勝、154セーブを誇るジョン・スモルツ氏が私見を述べた。
大谷は右肘手術を経て、6月に投手として663日ぶりに復帰。今季ここまで6試合で計12回を投げ、防御率1.50、13奪三振を記録している。まだリハビリ登板の段階のため、最長は12日(同13日)のジャイアンツ戦、そして21日(同22日)のツインズ戦での3イニングだ。
元ESPN番組司会者で、現在はテキサス州の副知事を務めるダン・パトリック氏のポッドキャスト番組「ダン・パトリック・ショー」にスモルツ氏は出演。今後の大谷の可能性について議論を交わした。
先発と抑えの両方で実績があるスモルツ氏に対し、パトリック氏は「数週間前、オオタニが復帰直前に彼を1イニングごと延ばしていくのではなく、クローザーで起用できないか話しましたね」と質問。あらためて先発ではなく抑えで起用するという案について見解を求めた。
これにスモルツ氏は「多くの人はブルペンのほうが肘の負担が軽くなると思っていたが、実際は悪くなった。なぜなら接戦でいつも盛り上がっているときに登板するし、必ず試合に出場するとは限らないから」と、リリーフの方が先発よりも負担が大きいという自身の経験を語った。さらに、大谷は投打二刀流のため8回の打席に立つ可能性がある状況で、ブルペンで9回に備えるのは難しいという見解も示した。
他方で、ポストシーズンに関しては「レギュラーシーズンよりクローザーになる可能性が高い。やりようはあると思う」と分析。さらに「絶対に起きないこと」と仮定した上で「もしもオオタニが1年間打たずに投げることに専念したら、球界ナンバー1の投手になる。間違いなくね。討論の余地もない」とも語った。
スモルツ氏は「彼は最高の打者のまま、投手をやろうとしている。本当に多くのことを同時にこなさなければならない」と指摘。大谷の才能について「彼が投球に集中したら、私が見ている限り、彼は比類ない最高の投手になる。間違いない」と語った。
大谷の投打二刀流については「(投手は)大変な仕事だが、投球のことだけ考えていればいいので(二刀流より)ずっと楽だ」と言及。「同時に打撃とスタッツの研究をしたり背中を少しひねったり、ふくらはぎにファウルボールを当てる(自打球)ことは、投手だけに集中していれば起きないことだ」と話し、あらためて大谷のプレースタイルが異次元にあることを強調した。
(Full-Count編集部)