高卒→米挑戦1年目…森井翔太郎の“現在地” ルーキーL最終戦で手応えと課題「凄く悔しい」

アスレチックス傘下でプレーする森井翔太郎【写真:佐藤直子】
アスレチックス傘下でプレーする森井翔太郎【写真:佐藤直子】

主に遊撃手として43試合で打率.258、3本塁打、27打点

 アスレチックス傘下マイナーの森井翔太郎内野手が24日(日本時間25日)、ルーキーリーグのアリゾナ・コンプレックス・リーグ(ACL)最終戦に「1番・遊撃」で先発し、5打数2安打3打点1盗塁の活躍で、チームの勝利に貢献した。今季は43試合に出場し、打率.258、3本塁打、27打点、4盗塁の成績。中南米の若手選手が数多くプレーするACLで遊撃の守備もそつなくこなし、「手応えはずっと感じている。守備に関しても、無理だなっていう感じはなかったです」と収穫を語った。

 気温40度。肌を刺すような強い日差しを浴びながら、天然芝のグラウンドを駆け回った。打席では5回、同点に追いついた直後、なおも1死一、二塁の好機で鋭い打球を右翼へ運び、勝ち越し点を挙げた。1点リードで迎えた6回2死二、三塁の場面では、左翼手の頭を越える大きな打球を飛ばして2点を演出。さらに、その直後には二盗を決めて見せるなど、最終戦を飾るにふさわしいパフォーマンスを披露した。

 だが、試合後に口から漏れたのは反省の弁だった。

「最後の1打席が、一番大事なところで初球、2球目と逃したのが一番(悔しい)。あれで(今まで)やってきたことができなかったっていうのが凄く悔しいですね」

 今季の最後となった打席は、延長8回。1点差まで詰め寄った直後の1死一、二塁という、長打が出れば同点、あるいは逆転サヨナラの絶好機だった。だが、甘く入った初球と2球目を捉えられず、最後は空振り三振。結果が出せなかったこと以上に、シーズン中に意識し続けてきた「早いカウントからどんどん振りに行く」アプローチを出せずに終わってしまったことに納得がいかなかった。

 積極的に早いカウントから仕留めにいくことは「なかなか自分の中では難しくて。できたりできなかったりと波があったんですけど、この1か月は結構いい感じで来ていた」と振り返る。日本ではなかなか見ることのなかったスピードボールへの対応も「時間が経てばできてくると思っていた」と慣れてきた様子。守っていても、日本では経験のないスピードで飛んでくる打球にも慣れ、「手応えはずっと感じている。日々良くなっていると感じている」という思いがあっただけに、最後にもったいなさが残ってしまった。

 ACLは終了したが、森井のシーズンはまだ終わっていない。9月末までアリゾナの球団施設に残り、練習や教育リーグへの出場を重ねながら、二刀流実現に向けての調整を進める予定だ。春先に肘を痛めて投手としての調整が遅れていたが、状態が良くなってからはキャッチボールやスローイングプログラムを続けてきた。そして「来週からブルペンに入ります」と、投手としての練習を本格化させていく。

「毎日が楽しい」と笑顔を浮かべる18歳の挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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