横浜・村田監督の目には涙「本当に感謝」 ナインを襲った重圧…春夏連覇へ思い

横浜が昨夏決勝のリベンジ…4季連続で対戦
第107回全国高校野球選手権の神奈川大会は27日、横浜スタジアムで決勝戦が行われ、横浜が東海大相模を下して3年ぶり21度目の夏の甲子園出場を決めた。歓喜の勝利を手にし、就任6年目の村田浩明監督は「見えないプレッシャーがありました」と声を震わせながら語った。
3回に中村龍之介外野手(3年)に3ランを浴びて先制を許したが、4回1死二塁、左翼で先発出場の奥村頼人投手(3年)が右翼席へ2戦連発となる2ランを放って反撃し、一挙4得点で逆転した。5回にも3点を追加し、8回にも阿部葉太外野手(3年)の中前2点適時打などで4点。強力打線が火を噴いた。
試合後、NHKのインタビューに登場した村田監督は目を潤ませ、顔を紅潮させながら開口一番「ありがとうございます!」と、満員のスタンドへ脱帽。感謝の言葉を届けた。「お互いプレッシャーを乗り越えた先に本当に強い精神力でこの甲子園で躍動してくれました。そのプレッシャーを乗り越えた選手たちに本当に感謝をします。そして誇りに思います。ありがとう」と声を震わせながら激励した。
昨年の夏は東海大相模に逆転負けで涙を流した。しかし、新チームになってからは驚異的な強さを発揮。秋は神奈川大会、関東大会を制し、明治神宮大会では27年ぶりに頂点に立った。さらに、3月の選抜高校野球大会も19年ぶりに制覇。春夏連覇をかけて今夏のトーナメントに臨んだ。
道のりは簡単ではなかった。準々決勝の平塚学園には9回2死まで劣勢だったが、阿部のサヨナラ打で勝利。準決勝の立花学園戦も劣勢だったが、奥村頼の2打席連発と好救援で勝利を飾った。「どこのチームも打倒・横浜という声がたくさん耳に入りました。そんな中、選手たち上を行く本当に辛い厳しい練習を乗り越えてきました。厳しい展開で勝つということは、子どもたちがとてつもない力をこの大会でつけてもらった。そして神奈川県、全チームの代表して甲子園に参りまして、全チームの思いを持って全員野球で挑んでいきたいと思います」と意気込みを明かした。
「このチームが始まって363日目です。全員野球。とにかく全員野球で挑むぞということで、出番がなかったり、色々中で今日は前田(一葵)が締めたということで、私自身も本当にびっくりしてます。野球の神様が与えてくれた、大きな大きな胴上げ投手だったと思います」と笑顔も見せた。
横浜は今春の選抜を制しており、松坂大輔投手(元西武)を擁した1998年以来27年ぶりとなる同校2度目の春夏連覇を目指す。
(Full-Count編集部)