イチロー氏、プラーク披露も「あんまり見てない」 刻まれた功績…弓子夫人も笑顔

表彰式典の翌日、イチロー氏が弓子夫人とギャラリーを訪問
マリナーズなどで通算3089安打を放ち、アジア人として初めて米国野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、米ニューヨーク州クーパーズタウンで行われた表彰式典で感動的な英語のスピーチで観客を魅了してから一夜明けた28日(日本時間29日)、弓子夫人とともに殿堂博物館を訪れ、1階のギャラリーに飾られた自身のプラーク(顔が浮き彫りになった銅製額)を笑顔で見つめた。
前日の式典終了後に行われた日米メディアによる会見で、イチロー氏は手にしたプラークについてこう語っていた。
「けっこう重かったです。ビックリしました。実はあんま見てないです、まだ。持ってただけで、向こう向いてるから(笑)。自分には向けてないから実はあんまり見てない。これからなんですけど、見るのは。偉大な選手たちと同じところにいるというか、同じエリアに並ぶということはまだまだ全く実感ができない。自分がホール・オブ・フェイマーという意識もまったく今のところないんですけど、これからの人生でそれを作り上げなくてはいけないと、そういうふうに思います」
同博物館棟の中心にある神聖なホールの格式高いオーク材の壁に並ぶ、米野球史に名を刻んだ偉大な選手、監督、審判、そして球団役員たちに加わったイチロー氏のプラークは新たな息吹を吹き込んでいる。
イチロー氏と弓子夫人は何度も笑顔を見せ、柔らかな陽射しがあたるブロンズに刻まれた功績をかみしめるようにじっと見つめる場面もあった。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)