甲子園、黒スパイク“絶滅”か 練習で着用ゼロ…酷暑対策でユニ変更のチームも

2020年3月に解禁された白スパイク
甲子園球場で5日に開幕する「第107回全国高校野球選手権大会」に向け、各校が球場で練習を行った。暑さ対策もあって2020年3月に白スパイクが解禁されたが、今回の練習では全校が着用。2020年以前は一般的だった黒いスパイクは、今回で“絶滅”になるかもしれない。
解禁以降、黒いスパイクを着用する高校はこれまでも残っていた。昨夏は早実や熊本工、今春の選抜では敦賀気比、広島商などが着用。しかし今回の甲子園練習では敦賀気比や、2年前の甲子園では黒スパイクを着用していた北海も白いスパイクを着用。黒で統一した高校は一つもなかった。
猛暑の影響というのが大きな理由だ。大手用具メーカー「ミズノ」は、最高気温32度の日に白スパイクと黒スパイクを並べて表面と内面の温度を計測。最も気温が高くなる時間帯で黒の表面温度は67度を超えたが、白は50度以下に収まった。内部も黒の最高温度は50度以上だったのに対し、白は40度ほどで、約10度も低くなったという。
白スパイクが全国大会でお披露目となったのは2020年8月の甲子園高校野球交流試合で、出場した32校のうち、14校が着用。そこから徐々に白スパイクを着用する割合は増えていった。
昨年には広陵がキャップとアンダーシャツを白に変更。今大会も北海や県岐阜商が甲子園限定で白い帽子を着用するなど、近年の酷暑に各校が対応している。