73歳の開星・野々村監督、選手に感謝「任せたのがハマった」 タイブレーク対策は「全然興味がなくて」

宮崎商に勝利した開星ナイン【写真:加治屋友輝】
宮崎商に勝利した開星ナイン【写真:加治屋友輝】

延長10回、途中出場の前田がサヨナラ犠飛「気落ちで距離を出してくれた」

 第107回全国高校野球選手権大会は6日、大会第2日が行われ、第2試合では開星(島根)が宮崎商(宮崎)に6-5でサヨナラ勝利を収めた。試合後、開星の野々村直通監督は「こういう試合を甲子園でできるのは素晴らしい。粘り強い魂のあるチーム」と熱戦を勝ち抜いた選手を称えた。

 開星は2回、1死満塁の好機をつくると、松浦愛珠投手(3年)の犠飛で先制。さらに2死満塁から小村拓矢外野手(3年)が左前に2点適時打を放ち3点を奪った。4回、宮崎商に同点に追いつかれたが、7回2死一、三塁から松本七斗捕手(2年)が適時打を放ち勝ち越した。

 9回、粘る宮崎商に追いつかれたが、タイブレークの延長10回、1死満塁から途中出場の前田翔太外野手(3年)が犠飛を放ち熱戦にケリをつけた。野々村監督は「3年間、真面目に1番練習をしてきた子。不器用だけど気持ちであそこまで距離を出してくれた」と前田の打撃に目を細めた。

 タイブレーク対策について野々村監督は「自分は全然興味がなくて…」と話すと、「時間があれば選手たちが練習していた。子どもたちに任せたのがうまくハマった。感謝しています」と甲子園で勝ち抜くため、準備を続けてきた選手に感謝した。

 2020年に開星に戻ってきた野々村監督にとって、今年の夏は復帰後初めての甲子園。そこで掴み取った勝利に「(選手に)期待するではなくて任せている。とにかくお前らがやってきたことを出してくれたらいいよと祈るような気持ちで見ていた」と感慨深けに語った。

 次戦で戦う仙台育英(宮城)については「大横綱ですから。うちは褌担ぎで…。勝負にならないけども、みんな一生懸命やってきたので全て力を出し切って玉砕してくれたらいいと思います」とお手上げとも思えるコメント。タイブレーク対策に続き、報道陣を煙に巻いた。73歳の名将が強豪校を相手にどんなタクトを振るうのか注目が集まる。

(Full-Count編集部)

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