大谷翔平のMVPに“暗雲”か…「背後に迫る」112億円男 打率1割台は過去、見逃せない進化

MVP争いに浮上した打撃改造の背景
打率1割から進化を遂げた長距離砲が、ナ・リーグMVP争いの台風の目となっている。フィリーズのカイル・シュワーバー外野手は、5日(日本時間6日)終了時点で打率.258、出塁率.382、OPS.973をマーク。OPS.981のドジャースの大谷翔平投手に迫る勢いを見せている。WBC米国代表の監督を務めるマーク・デローサ氏が4日(同5日)、米スポーツ局「MLBネットワーク」でその進化の背景を分析した。
デローサ氏は「彼は今シーズン、キャリアハイの出塁率、長打率、OPS+、WARをマークしています」と述べ、昨季からの変化に注目した。「彼は飛ばすことができます。彼は左打者なのに、今シーズン左投手から最も本塁打を放っている選手です」と強調。ケビン・ロング打撃コーチとの打撃改造が効果を発揮したと解説した。
それはスイングスピードの改善も表れている。デローサ氏は「(スイングは)最短距離で速く出てきます。しかも力強く、スイングに(無駄な)動きがありません」と称賛。さらに「2023年開幕以降のファスト・スイング率(75マイル=約120.7キロ以上のスイング率)をご覧ください。ジャンカルロ・スタントン外野手の98.2に次いで、シュワーバーは76.9の2位です」と具体的なデータも示した。
速球に対する対応力も突出しているという。同氏は「今シーズンの速球に対する長打率はジャッジ(.919)に次いで2位(.751)です」と指摘。「昔はよく動いていましたが、今は非常にリラックスした状態で構えます」と変化に言及。安定した打席での様子が、好調に直結していると指摘した。
さらに「ナ・リーグMVP争いで彼は間違いなく、オオタニの背後に差し迫っています」と断言。2023年シーズンは打率.197ながら47本塁打を放ったシュワーバーが、今季は内容でも数字でも進化を遂げ、MVPレースに本格参戦している。6月以降に勢いを加速させてきた“40発男”から目が離せない。
(Full-Count編集部)