甲子園の主役は“怪物2年生” スカウトも熱視線…「大きすぎるくらい」の逸材

ロッテのスカウトが「少し大きすぎるくらい」と驚く、がっちりした下半身
この夏は2年生が熱い。第107回全国高校野球選手権は8日、第3試合が行われ、27年ぶりの春夏連覇を狙う横浜(神奈川)が敦賀気比(福井)に5-0で勝利。先発した織田翔希投手(2年)が9回127球で完封勝利を飾った。
織田は185センチの長身から繰り出す最速152キロのストレートが最大の持ち味。だが、この日マスクを被った駒橋優樹捕手(3年)は「簡単に四球を出さない粘り強さがあります。コントロールもかなりいいです」と別の魅力を語ってくれた。
ロッテの榎康弘アマスカウトディレクターは「神奈川県大会では調子が上がらなかったが、何より直球がいい。(身体の)サイズもあるから角度がつきます」と指摘する。
織田だけではない。ドラフトの対象になるのはまだ来年の話だが、今大会は2年生投手に将来が楽しみな逸材が多いと、ファンの間で話題になっている。“08世代”(2008年度生まれ)の大器たちだ。
沖縄尚学の末吉良丞投手(2年)は、左腕ながら最速150キロを誇るストレートと切れ味鋭いスライダーが武器。175センチ、89キロの体格について、榎ディレクターが「少し大きすぎるくらい」と驚くほど、がっちりした下半身も話題になった。6日に行われた1回戦の金足農(秋田)戦で堂々の14奪三振で完封勝利。1点の援護を守り抜き、緊迫した投手戦を制した。
悲願の甲子園初出場を果たした聖隷クリストファー(静岡)の左腕、高部陸投手(2年)も楽しみな存在だ。県大会は5試合で30回を投げ33奪三振。最速147キロの空振りが取れるストレートがセールスポイントだ。DeNAの永池恭男アマチュアスカウトは「上背はない(174センチ)ですが、真っ直ぐはいいですよ。上位候補になり得る存在です」と将来性に期待を寄せる。
続けて永池スカウトは「楽しみな存在」として、山梨学院・菰田陽生投手(2年)の名を挙げる。194センチ、100キロの体躯から放たれるストレートは最速152キロを誇る。また、高校通算25本塁打の長打力も非凡だ。さらに、県大会で151キロを計測した高知中央の堅田徠可(くうが)投手(2年)にも注目が集まる。
今大会は2年生の活躍からも目が離せない。彼らの高校生活はもう1年あるが、その先のステージでの活躍にも期待をしてしまう。
(井上怜音/ Reo Inoue)