甲子園で話題、青藍泰斗の“ド派手”ユニ 監督とコーチが込めた思い「オンリーワンを」

昨秋に一新「賛否両論ありましたが、勝ち上がるにつれて…」
第107回全国高校野球選手権は9日、第5日目が行われ、第3試合に35年ぶり2回目の出場となった青藍泰斗(栃木)が登場。佐賀北に延長10回タイブレークの末4-5で敗れたが、SNSでは“ド派手ユニホーム”が話題をさらった。導入の経緯など、舞台裏に迫ってみた。
青藍泰斗は所在地(栃木県佐野市葛生東)の名前にちなんだ「葛生(くずう)高校」から2005年に校名変更。そして昨秋、青地に白いストライプを入れた現在のユニホームに一新した。
主にユニホーム作りに携わったのは、青山尚緯(なおい)監督と芝野翼コーチだった。「スクールカラーが青ですし、オンリーワンのユニホームを作ろうということで始まりました。賛否両論がありましたが、栃木県大会を勝ち上がるにつれて『かっこいいね』と言ってもらえるようになりました。我々もこのユニホームに自信を持っています」と芝野コーチは胸を張る。
今大会のベンチ入りを逃した部員も、このユニホームには特別な感情を抱いている。アルプススタンドで応援していた五十嵐真利(まさと)選手(2年)は「最初は驚きましたが、話題になるのはすごくうれしいです。この青のユニホームは公式戦でしか着用できない、特別なものです。思い入れはすごくあります」とうなずいた。
アルプススタンドに足を運んだOBからも注目を集める。神奈川県から駆け付けた清水剛さんは、葛生高校時代の1990年、まだ外野にラッキーゾーンがあった甲子園に初出場した時の主将だ。「ちょうどタイミングが合って、35年ぶりに甲子園に来ることができて凄くうれしい。(新ユニホームは)最初は驚きましたが、OBのみんなの評判もすごくいいですし、僕もいいと思います」と笑顔を浮かべた。
現役主将は「注目される中で野球ができて本当に幸せでした」
さらに清水さんらOBの心を掴んだのは、右袖に施された「葛生」の2文字。「それを今回取り上げられるまで知らなくて……。めちゃくちゃうれしかったです。青山監督にとても感謝しております」と感激の面持ちだった。
全国から注目を浴びた今大会。大熱戦は演じたものの、初戦敗退に終わった。それでも主将を務めた佐川秀真内野手(3年)は「このユニホームは、本当に特別なものです。大会に入ってからもユニホームで歩いたり、プレーすると注目されました。その中で野球ができて本当に幸せでした」と感慨深げに振り返る。様々な人が熱い思いを寄せる青藍泰斗のユニホームは、甲子園に確かなインパクトを残した。
(神吉孝昌 / Takamasa Kanki)