広陵の辞退「残念でなりません」 不戦勝の津田学園監督の“胸中”「宿命的なことも」

津田学園・佐川竜朗監督【写真:加治屋友輝】
津田学園・佐川竜朗監督【写真:加治屋友輝】

津田学園の3回戦は17日第2試合の予定…「広陵戦から頭を切りかえよう」

 第107回全国高校野球選手権大会に出場している広陵(広島)が10日、今大会の出場辞退を発表した。14日の第4試合で対戦予定だった津田学園(三重)は不戦勝で2回戦突破を決めた。同校の佐川竜朗監督は大会本部を通じて「辞退は残念でなりません」と語った。

 広陵はこの日、同校の堀正和校長が兵庫・西宮市内で会見を行い、出場を辞退することを発表した。広陵を巡っては5日の大会開幕前後にSNS上で暴力事案が判明し、5日には日本高野連が3月に厳重注意とした事案があったことを発表、6日には学校も野球部員の暴力行為があったことを明かした。

 日本高野連などの主催者は、広陵の今大会出場の判断に変更はないとしていたが、その後、学校側は元部員から別の事案でも訴えられていた。これを受け、広陵は9日に緊急理事会を開き、出場辞退を決定。「事態を重く受け止め、本大会への出場を辞退したうえで、速やかに指導体制の抜本的な見直しを図ることにいたしました」などとコメントを発表した。

 大会第9日(8月14日)第4試合で広陵との対戦が予定されていた津田学園。佐川監督は「監督として過去2回、夏の甲子園に出場して、2回とも2勝目の壁が破れなかったので、3回目の今回は2勝目をかけた広陵との対戦を楽しみにしていました」と思いを口にした。また、「中井哲之監督には、甲子園練習の時に『守備をふだん通りにしっかりやれば2回勝てるよ』と声をかけていただき、その後の組み合わせ抽選会で、勝ち進めば広陵と当たることになったので、宿命的なものも感じていました」と、渦中の中井監督とのやり取りも明かした。

 一方で、広陵の暴力事案については「SNSを通じていろいろな話がとびかっていたのは承知しています」とした上で「選手には『グラウンドに立ったら雑念は切り離せ』と言い続け、1回戦以後は広陵をイメージした練習をしてきただけに、今回の辞退は残念でなりません」と率直な思いを口にした。

 不戦勝となり、津田学園は17日の第2試合(10時30分開始)が予定されている。「3回戦までは日があくので、今夜にも選手たちに事情を説明して練習メニューを考え、『広陵戦から頭を切りかえよう』と言うつもりです。選手たちも2回戦を楽しみにしていたので、経験値が1回少ないまま3回戦を迎えるのは、やや不安もありますが、しっかり準備をしたいと考えています」と前を向いた。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY