広陵、3月の厳重注意はなぜ公表されず? 事務局長が説明「隠していたわけでは」「賛否あろうかと…」

広陵・中井哲之監督【写真:加治屋友輝】
広陵・中井哲之監督【写真:加治屋友輝】

2回戦で対戦予定だった津田学園は不戦勝に

 第107回全国高校野球選手権大会に出場している広陵(広島)が、今大会の出場辞退を申し入れたことを受け、全国高校野球選手権大会の大会本部は10日、兵庫県西宮市内で取材に応じた。日本高野連の井本亘事務局長は、3月に広陵に行った厳重注意について「賛否はあろうかと思いますが、隠していたわけではない」と説明した。

 広陵の出場辞退を受け、取材対応した井本事務局長は「3月の厳重注意処分について、われわれは広く皆様に発表はしていませんでした。(今大会開幕後の発覚に)賛否はあろうかと思いますが、これは隠していたわけではなく、もともと、(出場停止、活動停止処分などを伴わない)厳重注意については、未成年保護のため、個人攻撃などを避けるために、公表しないルールになっていて、それに則ったものです。加盟校(広陵)が発表しなかったのも、同じ理由です」と公表されなかった背景について説明した。

 また、厳重注意の措置については「(不祥事に関わった)人数、回数、状況、過去の事例などに照らし合わせて判断しました」と明かした。続けて「学校側の最終的な報告を信用して処分を決めていますので、もし新しい事実が判明すれば、審議をやり直さなければならないかもしれません。現在報告されている範囲では、今大会出場を差し止める状況ではなかったと思います」と大会出場に至った過程について見解を示した。

 広陵をめぐっては今大会開幕後、今年1月に2年生部員(当時)4人が1年生部員(当時)の寮の部屋を個別に訪れ、胸を叩く、頬を叩くなどの暴力を伴う不適切な行為を行い、3月に日本高野連から厳重注意の措置を受けていたことが判明。それ以外にも大会開幕後に暴力などの被害を受けたとする情報がSNSで拡散される事態となっていた。

 これを受け、広陵は9日夜に広島県内で緊急理事会を開き出場辞退を決定。先に開かれた会見で広陵の堀正和校長は「われわれは、いかなる暴力も認めないという方針を掲げてまいりましたが、今日の事態を招いたことは誠に遺憾で、忸怩たる思いです」と陳謝した。

 広陵は夏の選手権大会に出場26回、準優勝4回、春の選抜大会は出場27回、優勝3回、準優勝3回を誇る強豪。7日に行われた旭川志峯(北北海道)との1回戦には勝利するも、出場辞退となったことで14日の2回戦は津田学園(三重)の不戦勝が決まった。

(Full-Count編集部)

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