甲子園に“異変”「全然暑くない」 酷暑予想で対策も…嬉しい誤算「あまり活躍しないかも」

甲子園は気温29度と涼しい試合開始となった
第107回全国高校野球選手権は12日、大会第7日目が行われ、第1試合で聖光学院(福島)と山梨学院が対戦。暑さが心配されている甲子園だったが、試合前の気温は29度まで下がり球児や高校関係者らからは安堵の声が聞こえてきた。
連日雨が降った甲子園は、12日も低確率ながら雨予報もあったがなんとか持ちこたえ、曇り空が広がっている。太陽が隠れた分、試合開始前の気温は29度まで下がった。さらにぬるく暑さをさらに感じさせていた風も涼しく感じるようになり、体感気温はさらに低くなった。
今大会は酷暑を想定し、気温が高い時間帯を避けるため、朝と夕方に試合を行う「2部制」が6日目まで拡大。さらに審判員の帽子も白に変更されるなど様々な熱中症対策が行われてきた。それでも、今大会では6日、仙台育英(宮城)や開星(島根)でも猛暑の影響からか、試合中に途中交代する選手が続いていた。
応援席でも暑さ対策は進んでいた。山梨学院の学校関係者は「暑さ対策のために農業用ミストを用意してきました。普通の1万5000円程のやつよりも、本格的なものが必要(な暑さ)になるかなと新調しました」と万全の準備をしてきたものの、「ただこの涼しさだとあまり活躍しないかもしれないですね」と拍子抜け。“嬉しい誤算”に安心した表情を見せていた。
試合前に取材に応じた山梨学院の吉田洸二監督は「山梨よりはだいぶ涼しいですね」と開会式から1週間過ごした関西の気温を語った。また、スタンドで応援する野球部員も「今日は全然暑くないですね。山梨の5月くらいな気がします。暑い山梨で走ってきたので、そういう意味では熱中症対策にもなっている気がします」と笑顔だった。
試合開始と共に太陽は少しずつ顔を出し始めているものの、甲子園球場には“珍しい”涼しさが訪れている。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)