大谷翔平、30代中盤でも二刀流継続か ド軍コーチが見た“可能性”…カギ握る投手の未来

ドジャースのベイツ打撃コーチは二刀流を奨励
打者に専念した2024年は前人未到の50-50を達成し、自身3度目となるMVPを獲得したドジャースの大谷翔平投手。2年ぶりに二刀流復活を果たした今季も、シーズン50本塁打、100打点、打率3割を期待できる活躍を見せている。打者に専念するシーズンを過ごしたことで、打撃面での確実性や一貫性が増したのか。あるいは、投手としての活動が打席でも生かされているのか。
今季の大谷について、ドジャースのアーロン・ベイツ打撃コーチは「打率という点では昨季ほどではないが、ホームランは一定のペースで生まれ続けている」と評価する。その背景には「投手としてのトレーニング」による効果があると考えているようだ。
「二刀流を続けることは、特にメンタル的に難しいだろう。野球への向き合い方はメンタル的要素が大きな割合を占めるから。ただ、昨季は試合で投げることこそなかったが、トミー・ジョン手術からの復帰過程として投手としてのトレーニングを続けていた。打席で爆発力を生かせるようになったのは、そのトレーニングのおかげで下半身の安定感が増したことにあると考えている」
下半身の安定感が増したことで、今季は投手に対する構えが再現性高く繰り返されているという。これもまた、自分の身体に対して高い意識を持つ大谷だからこそ、の結果でもある。
「打席でのセットアップが素晴らしい。投手に対する構えが非常に安定しているし、ストライドも一定を保てている。この2つの精度が高まればヒットを打つ確率は高まるし、失敗を恐れることなくプレーできるようになるんだ。彼は素晴らしい身体意識を持ち、自分の身体を知り尽くしている。他の選手も同じようにしたいところだが、あそこまで高い意識を持つことは至難の業だ」
打者として年々完成形に近づきつつあるように思えるが、ベイツ打撃コーチは「まだまだ成長の余地はある」とキッパリ。「ショウヘイは自分自身に対して高い水準を設けている。彼の可能性に限界を設けたくない」と異次元の進化に期待を込める。
2023年オフにドジャースと10年契約を結び、今季はまだ2年目。この先、大谷はどんな姿を見せてくれるのか。5、6年後の大谷について、ベイツ打撃コーチは次のように予想する。
「投手を続けているのであれば、おそらく今と変わらず二刀流の活躍を続けていると思う。もし投手を辞めて打者に専念しているのであれば、長打の多い50-50タイプの打者ではなく、よりスピードを生かした二塁打を多く打つタイプになっているんじゃないかな。投手を続けているか否かがカギになるが、いずれにせよ、今とほぼ変わらない素晴らしい打者であり続けているはずだ」
投打のバランスを保ちながら、どこまで成長を続けるのか。未来の大谷翔平の姿が楽しみだ。