打球や野手に触れなくても守備妨害 元NPB審判が解説する基準「相当難しいジャッジ」

元NPB審判員の坂井氏が守備妨害のルールを深掘り
パーソル パ・リーグTV公式YouTubeでは、野球界の常識をアップデートする番組「P’s UPDATE」を公開中。第10回のテーマは「守備妨害」。ゲストに元NPB審判員の坂井遼太郎氏、ロッテOBの西岡剛氏と成瀬善久氏を迎え、ルールを深堀りした。
守備妨害において代表的な「走者による守備妨害」。打球が走者に当たる、というシチュエーションは広く知られているが、たとえ打球や野手に触れていなくても妨害と判定されるケースもある。それが5月20日の日本ハム-ソフトバンク戦で起きた。
無死一塁の場面でバスターエンドランを仕掛けた打者の打球は二ゴロに。このとき、一塁走者がちょうど二塁の前を通過し、ボールには触れなかったが見えにくい形となった。結果的には「ブラインドによる守備妨害」として二塁塁審が走者アウトの判定を下している。
ここで気になるのが、ダブルプレーの成立だ。映像では守備妨害の判定があった後も野手はプレーを続け、打者走者もアウトになったように見える。しかし、坂井氏はこの判定について「これは自然なプレーなので走者アウトだけで終わっている。これが意図的に妨害をしようという行為に見えたらダブルプレーになる」と説明した。
「守備妨害が発生した時点でタイム、ボールデッドとなるので、それ以降のプレーはどんなプレーであっても認めない」と坂井氏。走者の動きが守備の妨げとなったのかは審判のジャッジとなるが「相当難しいジャッジとなるのは間違いない。瞬時に判断した二塁の審判はすごいなとは思います」と解説した。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)