「攻めているのに」覚えた“違和感” 下剋上の県岐阜商も…選抜王者・横浜に感じた恐怖

同点の9回で横浜が「内野5人シフト」を敷いた
第107回全国高校野球選手権は19日、大会第13日が行われ、第3試合で県岐阜商が横浜(神奈川)に延長タイブレークの末8-7でサヨナラ勝ち。8回には横浜が“内野手5人シフト”を敷いた。ベンチから見ていた県岐阜商の藤井潤作監督は「攻めているのに、攻められている感じ」と奇策について語った。
県岐阜商は前半から打線がつながり5回を終了し、4点リード。しかし、6回に3点、8回に1点を一気に許し、たちまち同点に追いつかれた。そして4-4の同点で迎えた9回、1死二、三塁のサヨナラ機を作ったところで横浜の村田浩明監督は、左翼手を植村直太朗(2年)から阿部駿大(3年)へ交代。左翼ではなく投手の背後に配置する「内野5人シフト」を敷いた。
県岐阜商はスリーバントスクイズを決行したものの、一塁手の猛チャージに遭い本塁で憤死。その後死球で満塁としたものの無得点に終わった。珍しい内野5人シフトには藤井監督もただただ驚愕。
「色んなことをされてくるので、攻撃しているのに逆な感じがするというか……、攻めているのに攻められているように感じる守備でした。色んなフォーメーションがあるんだなと。やっぱり全国制覇しただけのチームだな、本当にすごいチーム」と一種の“恐怖”を興奮気味に振り返った。
その後、延長タイブレークに入ってからは横浜が3点取れば県岐阜商も3点を取り返す一進一退の展開。それでも、11回2死三塁で県岐阜商の坂口路歩内野手(3年)が左前サヨナラ打を放ち試合を決めた。
16年ぶりに準決勝進出を決めた、残る唯一の公立高校が勢いそのまま頂点を目指す。