鷹の“新守護神”が示す「12.95」の存在感 進化した魔球の威力…盤石のコンビネーション

ソフトバンク・杉山一樹【写真:古川剛伊】
ソフトバンク・杉山一樹【写真:古川剛伊】

鷹・杉山が6月以降はクローザーとしても登板機会増

 2018年のドラフト2位でソフトバンクに入団した杉山一樹投手は、本格的にリリーフへ転向した昨季はチーム最多タイの50試合に登板し、ブルペンを支えた。7年目の今季も開幕から勝ちパターンを任され、6月以降はクローザーとしてマウンドを託される場面が増加。ここまで防御率1点台を維持し、奪三振率は昨季を上回る12.95と存在感を示している。(文中の成績は8月14日終了時点)

 昨季も高かった奪三振率がさらに向上した要因のひとつは、右打者への対応だ。対右打者の奪三振割合は24.2%から36.0%に上昇。左右ともに30%以上と申し分ない数字を残している。

 背景には「追い込む打席の増加」がある。対右打者の2ストライク打席割合は昨季47.4%から今季59.6%へと大幅にアップ。打者を追い込む機会が増えたことで、三振の山を築いているのは、フォークボールの活用が大きく影響している。今季は0、1ストライクのカウントからフォークを積極的に投じ、昨季より約12ポイントも投球割合を増やしている。被打率.172と打たれにくいこの球種を、カウントを問わず使えるのが強みだ。

 フォークの奪空振り率は28.4%で、パ・リーグ救援投手の中で2位。150キロ台後半の直球と落差の大きなフォークのコンビネーションは、打者にとって脅威となっている。藤井皓哉投手や松本裕樹投手らとともに盤石のリリーフ陣を形成する杉山。鷹の新守護神として、首位争いの佳境を迎えるシーズン終盤も痺れる場面でチームを支え続ける。

※成績は2025年8月14日終了時点

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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