大谷翔平はなぜ5失点KOされた? 生じた“ズレ”…漏らした課題「いい感覚が出ていない」

9安打5失点で今季初黒星…直球の感覚、制球力について語る
【MLB】ロッキーズ 8ー3 ドジャース(日本時間21日・デンバー)
ドジャース・大谷翔平投手は20日(日本時間21日)、敵地でのロッキーズ戦に「1番・投手兼指名打者」で出場した。投手としては4回に6安打を浴びるなど、計9安打5失点で今季初黒星を喫した。試合後には「真っすぐがカット気味に動いていた」と語り、スライダー系のボールが中心となったピッチングを振り返った。
全体的にボールが引っかかっていた印象を受けた。初回は3者凡退に抑えたものの、2回には先頭のベックにカットボール、1死からモニアックに99.1マイル(約159.5キロ)でフォーシームと計測された1球を痛打された。スミスはアウトコースを要求していたが、ボールは真ん中付近へ曲がるように入っていった。
初回の投球練習では、ショートバウンドになるボールが2球。先頭の右打者フリーマンに対しては1球目から4球連続で外角ボールゾーンへの投球だった。この日は、直近2登板ではそれぞれ1球しかカウントされなかったカットボールが7球も計測。大谷がフォーシームを投げていたつもりでも、回転からカットボールと判定されたと見られる。
その後フリーマンに対しては、内角へのスイーパーで見逃し三振。この日は66球のうち、42球がスライダー系(スイーパー20球、スライダー15球、カッター7球)という内訳になった。「なかなか真っすぐがいい感覚が出ていない中で、ウィルがスライダー系のほうがいいのではないかなという中で、要求が多かったのかなと思う」と話した。
クアーズフィールドでは標高が高く空気抵抗が低いため、変化球が曲がりくいとされる。中でも回転数を減らして落とすボールへの影響が大きく、4回にはモニアックへのスプリットがほとんど落ちず、右前に運ばれた。
結果的に4回には多投することになったスライダー、シンカーが狙われ、2021年9月10日(同11日)のアストロズ戦に並び、自己ワーストタイとなる9安打を浴びてしまった。「前回に引き続き、(初回の)モニアックの打席もそうでしたけど、もう少し自分の中でコーナーを狙ってるボールが真ん中に集まって来るというのは、ちょっと傾向としてあるので、そこは反省点かなと思います」。
節目のメジャー通算1000試合目は二刀流で出場も、地区最下位ロッキーズに打ち込まれる結果となってしまった。「ただただチームに申し訳ないですし、ただただ自分の投球に不満があるというか、情けない投球内容だった」。21日(同22日)は久々の休養日でリフレッシュし、また始まるパドレスとのカードでやり返したい。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)