大谷翔平の復活は「信じられない」 10度の手術を経験した名投手が驚愕した“異常さ”

元ヤクルトの館山氏、大谷の二刀流復帰は「信じられない」
ヤクルトで現役19年間のプロ生活を送り、計10度にわたる手術の経験がある館山昌平氏が、トミー・ジョン手術から復帰したドジャースの大谷翔平投手の凄みについて語った。
社会人野球チームのマルハン北日本カンパニーの監督を務める館山氏は現役時代、ヤクルトのエースとして活躍。2009年には16勝を挙げて最多勝を獲得するなど、6度の2桁勝利をマークし、通算85勝を挙げた。一方で3度のトミー・ジョン手術を含む9度の手術を経験。それでも不死鳥のように何度も復活を遂げ、惜しまれながら2019年に引退するまで不屈の精神でマウンドに上がった。
引退後にも10度目の手術を行うなど、最後まで怪我と向き合ってきた。そんな館山氏が自身の経験したトミー・ジョン手術から復帰を果たした大谷について「手術から戻ってきた事がすごいというよりも、二刀流をしている事がすごいと思います」と語った。
手術から復帰する事自体は珍しいことではないとしながらも、“復帰の仕方”には驚きを隠せない。「投球だけに着目してしまうと、すごいな、になりますが……。本当にすごいことは、その前後での打者としての活躍。とてつもない事をやっているなと思いますね」。
大谷はここまでチームの128試合中125試合に出場し、打率.285、44本塁打、OPS1.018という成績を残しながら10登板を果たしている。再び始まった二刀流での活躍に「同僚や他のプロ野球選手と話す時に二刀流というのが信じられないと話しています。5回、6回投げた次の日に全力疾走しようなんて思わないですからね。投げた翌日、翌々日なんて体のダメージが残っているのに、盗塁はするわ、打つわというところがすごいなと」と称えた。
また打撃時の肘への負担について言及。「自分は投げるだけでしたが、(手術後は)右打ちを左打ちに変えようか悩むくらい、肘への負担はかかる。だから左打ちはいいのかなと思いますけど。にしても、草野球でやっているワケじゃなくてメジャーのトップクラスで復帰して、本塁打の数もすごいのは……」と舌を巻いた。
毎シーズン進化した姿を見せる大谷に「自分にも理解はできないですけど」と前置きしつつ、「最もレベルの高いリーグで、我々が想像している以上の実力を出してくれているのはワクワクしますし、彼が成し遂げることは今まで誰もが考えた事がないこと。なので、どういう投球になるのかは想像するまでもないというか、どうなっても楽しみだなと思います」と声を弾ませた。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)