トランプ大統領がMLBに激怒「今すぐ入れろ」 “疑惑”の354勝右腕巡り…異例の要求

サイ・ヤング賞7度も…薬物疑惑で殿堂入り果たせず
米国のドナルド・トランプ大統領が、メジャー通算354勝のロジャー・クレメンス氏の野球殿堂入りをSNSで要求し、波紋を広げている。クレメンス氏は薬物使用疑惑により殿堂入りを逃したが、トランプ氏に同調する形で疑惑を「フェイク」と断じた。
トランプ大統領は自身のSNSで、クレメンス氏とゴルフを楽しんだことを明かし、その実績を「通算354勝、サイ・ヤング賞7度(たくさん!)、6度のワールドシリーズに出場し2度制覇したクレメンスは余裕で数少ない歴代最高の投手だったと言える」と絶賛。「歴代三振記録ではノーラン・ライアンに次ぐ2位だ(注:正確にはランディ・ジョンソン氏に次いで3位)。彼は米野球殿堂入りするべきだ。今すぐだ!」と要求した。
80年代から00年代にかけてメジャーを代表する投手で「ロケット」の愛称で知られるクレメンス氏だが、現役時代の薬物使用が取り沙汰された影響で票を集められず、2022年に殿堂入り資格を失った。検査で陽性反応が出たことはなく、薬物の使用を一貫して否定している。この件についてトランプ大統領は「人々は彼が禁止薬物を摂取したと信じているが、証明されているものは何もない。陽性になったことは1度もない。そしてロジャーは最初から一貫して完全に否定している」と主張した。
さらに、昨年9月に死去した後、今年5月に永久追放を解除され、殿堂入りへ資格回復したピート・ローズ氏にも言及。「従来は(私が要請したことを)公表しない約束だった。しかし、ピートが亡くなった後に彼(ロブ・マンフレッドコミッショナー)は『公表』した。その時にも、彼が亡くなったので殿堂入りできたと言っていた」などと主張。コミッショナーのマンフレッド氏を痛烈批判した。
その上で「私たちはロジャー・クレメンスで(同じことを)起こさせない。通算354勝。今すぐ入れろ。彼と彼の偉大なるご家族はこれ以上の『愚行』にこれ以上耐えることを強いられるべきではない!」と、あらためて強調した。
これにクレメンス氏も24日(日本時間25日)、自身のX(旧ツイッター)で謝意を表明。「愛情に感謝する! ドナルド・トランプ大統領は誰よりも、世間に出回っているニュースがフェイクだと知っている。全員がそれぞれ(異なる)関心事を持っている。私は勝つこと、そして家系の運命を何代を(いい形に)変えられるよう野球をプレーした!」とコメントした。
クレメンス氏は昨年7月に発生した暗殺未遂事件で、Xに星条旗を背景に拳を突き上げるトランプ氏の写真を投稿。「今は言葉が出ません。これ以上怒ることはできません。私は彼を応援します。この写真がすべてを物語っています」と支持を表明。昨年11月に大統領選でトランプ氏が勝利した際には「『トランプが勝ったらアメリカを出ていく』と誰が言ったんだっけ……出て行くときにドアを尻にぶつけないようにね」と皮肉を投稿していた。