打率.209も…大谷翔平が13連戦で見せた“光” 749日ぶり白星、激動の2週間

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

28日のレッズ戦で13連戦が終了…4月以来の休養日も

 苦しみ抜いた先に光が指した――。ドジャース・大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、本拠地でのレッズ戦に5回1失点9奪三振の快投を見せ、749日ぶりの白星を手にした。チームはこの日13連戦を終え、9勝4敗で勝ち越し。地区首位をキープしている。大谷もチームも浮き沈みのあった約2週間の激闘を振り返ろう。

 ドジャースは11日(同12日)からの敵地エンゼルス戦に3戦全敗を喫し、最大9ゲーム差があったパドレスに地区首位の座を明け渡した。そんな中で迎えたのが、本拠地でのパドレス3連戦。大谷は第1戦で3打数無安打1四球に終わり、連続試合安打は「12」でストップした。それでも、併殺崩れの間に1打点を挙げ、3-2の勝利に貢献。チームは同率首位に立った。

 16日(同17日)の第2戦は初回に四球で出塁後、先制のホームイン。第2席も四球をもぎ取り、失策が絡んで生還と2得点の活躍だった。第3打席では中前打を放ち、リードオフとして3出塁して勝利に貢献した。第3試合ではダルビッシュ有投手と対戦。初回に痛烈な右前打で出塁し、フリーマンの3ランの呼び水となった。第2打席では12球団の本拠地で柵越えとなる大飛球を放つも、惜しくも一発とはならず。同点の8回にはベッツが勝ち越し打。大谷もガッツポーズを見せて勝利を喜んだ。

 最大のライバルをスイープし、今度は地区最下位の“最弱”ロッキーズとの4連戦を迎えた。一気に勢いに乗りたいところだったが、初戦で躓く。先発の山本由伸投手は7回3失点と試合を作ったが、9回に拙守からサヨナラを許した。打席が回ってこなかった大谷は、エルボーガードをベンチの棚に投げつけ、珍しく怒りを露わにする場面があった。嫌な空気が漂う中、それを払拭したのはまた大谷のバットだった。

 19日(同20日)は2回の第2打席、角度19度の弾丸ライナーで44号を右中間に叩き込んだ。チームも6-0と快勝した。しかし20日(同21日)は今季10度目の先発マウンドに上がったものの、4回に相手打線に捕まり、さらに相手の強烈な打球が脚に直撃するアクシデントも。4回9安打5失点で復帰後初黒星を喫し、「チームに申し訳ない情けないという投球の内容」「情けないな」と“謝罪”した。一方で翌日は第1子出産のため「父親リスト」入り以来となる休養日。ベンチで味方を応援した。

23日パドレス戦ではダルビッシュに封じられる

 22日(同23日)からは敵地パドレス3連戦を迎えた。特大飛球を放つ場面もあったが、ダルビッシュの前に封じられ、チームも1-2で惜敗。再び同率首位に並ばれた。翌日も大谷はノーヒットに終わり、ドジャースも連敗を喫した。絶対に負けられない第3戦、山本は逆転2ランを浴びたものの6回2失点にまとめると、フリーマンの2発やラッシングの勝ち越し3ランで一気に優勢に。そして9回、眠っていた男のバットが復活した。

 大谷は9回1死の第5打席では松井と対戦。94.1マイル(約151.4キロ)のフォーシームを完璧に捉え、右中間スタンドに運んだ。ベンチに戻る直前、大谷はパドレスファンの男性にハイタッチする場面が話題を呼んだ。ロバーツ監督によると、試合中にずっと野次を飛ばしており、大谷は9回の第5打席直前に会話を交わした。そして見せつけるかのように豪快弾。大谷らしい“スター性”を遺憾なく発揮した。そして、チームにはマジック31が点灯した。

 25日(同26日)のレッズ戦では、世界的人気の韓国グループ「BTS」のVが来場。大谷は試合前に談笑し、記念撮影に応じた。自身のバットから快音はなかったが、チームは7-0で快勝した。第2戦は6回に適時打を放って勝利に貢献し、第3戦は“リアル二刀流”で登板。3回に先制ソロを浴びるも、4回に自身の安打からビッグイニングを呼び込み、5回9奪三振で勝利投手になった。

 13連戦は12試合に出場し、打率こそ.209だったが2本塁打、6打点をマークした。ヒット性の打球が好守などに阻まれる場面も多い中、大谷らしいアーチをかけて勝利に貢献。“ヒリヒリする”終盤戦に存在感を見せている。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY