MVP獲得から3年半で転落…86億円男が呼んだ悪循環 常勝球団が犯した「二重の失敗」

通算263本塁打、1587安打も昨季途中に解雇
5年前にMVPに輝いた38歳の大砲は、今季はメジャーの舞台から姿を消している。メジャー通算263本塁打のホセ・アブレイユ内野手はFAとなった2022年オフにアストロズと3年総額5850万ドル(約86億円)の大型契約を結んだが、成績不振で昨年6月に解雇。米メディア「ブリチャー・リポート」から「オール・オーバーペイド・チーム(年俸もらいすぎ)」の一塁手部門の次点に選ばれた。
キューバ国内リーグでは通算178本塁打を放ち、亡命を経てメジャーへ。1年目の2014年にはホワイトソックスで打率.317、36本塁打、107打点と大活躍し、新人王を受賞。2019年から2年連続打点王に輝き、コロナ禍で短縮シーズンだった2020年には打率.317、19本塁打、60打点でア・リーグMVPに選ばれた。
30代半ばを過ぎた2023年にアストロズへ入団したが、同年は141試合で打率.237、18本塁打、90打点と数字を落とした。さらに昨年は35試合に出場して打率.124、2本塁打、7打点と低調が続き、6月に解雇となった。プレーしていない今季まで契約が残っている。
「ブリチャー・リポート」は一塁手部門に同じアストロズのクリスチャン・ウォーカー内野手を選び、アブレイユは次点とした。昨季オフにダイヤモンドバックスをFAとなり、アストロズに入団したウォーカーだが、今季は走攻守で精彩を欠いている。OPSは昨年まで3年連続で.800を上回っていたが、今季は.700前後にとどまり、WARはマイナス。昨季まで3年連続ゴールドグラブ賞を獲得した守備でも指標にも陰りが見える。
解雇したアブレイユに今季も年俸1950万ドル(約28億6600万円)を支払っていることが「ウォーカーの不振に追い打ちをかけている」と指摘。契約の半分も満たしていない昨年6月に解雇されたことに「もしも彼がその契約に見合った働きをしていれば、ヒューストンはウォーカーを獲得する必要もなく、今のように一塁に4000万ドル(約59億円)を投じてなお、期待外れの状況に陥ることもなかっただろう」と辛口の評価を下した。
(Full-Count編集部)